ラストイニング 30
延長10回の激闘の末、大本命の聖母学苑を破り、遂に夏の甲子園出場を決めた我らがサイガク野球部。そして初戦の相手は、「M校」こと地元・兵庫代表の古豪・湊川商工に決まった!これまで監督として、「勝つための緻密な戦略」を練りに練ってきた鳩ヶ谷圭輔にとっても、ここから先は未体験ゾーン。ヒステリックなまでの周囲の期待とプレッシャー。アウェーの洗礼を浴びるであろう地元相手の初戦。どうにも一筋縄ではいかない様子のM校の監督・部長。そして、これまで多くの球児を呑み込んできた甲子園の持つ魔力…!グラウンドの内外に「まだ見ぬ敵」が山積みの中で編み出されるポッポ流の「甲子園必勝法」とは!?サイガク野球部の物語は、ここから一段上のストーリーへと突入する!!
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人生の最大の敵、それは「鈍感」である
これは野村克也さんの言葉ですが、この『ラストイニング』という野球マンガは、「鈍感」であることは野球をする上で、そして人生において最大の敵だと、そんなことを伝えてくれた気がします。
野球は他のスポーツよりも止まっている時間が長いスポーツです。だからこそ相手を出し抜くために、配球を考えるキャッチャー、そしてサインを送る監督は常に「相手は何を考えているのか、次はどう動くか」を頭で考え続ける必要があります。
本作は「出し抜くこと」「裏をかくこと」を常に考えている監督が主人公です。行間を読むのが一番面白いスポーツだからこそ、剛速球を投げるキャラが躍動する野球マンガよりも、「出し抜くこと」に重きを置く『ラストイニング』は正しいと、私は思います。「鈍感」では、勝てませんよね。