ワンダンス(13)
カボと湾田のショー作りはつづく。二人は衣装を探すために古着屋をめぐる。湾田とのステージを想像すると、自分が引き立て役にしかならない。そんなイメージをもって葛藤していたカボは、衣装選びやSNSでの発信など、チームとしてせめて自分が貢献できることを積み上げていた。しかし、古着屋を散策中の壁谷との偶然の出会いによって、湾田との関係をさらに深く考えることに――。
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「俺はダンスを直視することが出来ない」と言う主人公は、中学時代の体育でダンスを上手に踊れなかった苦い経験から、ダンスに対して抵抗感を抱いていた。それに加え、吃音症で自分の気持ちが出せない彼だったが、ある日、クラスメイトの女の子がダンスを練習しているところを目撃し、踊る姿に目を奪われた。そして、彼女に惹かれて共にダンス部に入部し、ダンスの楽しさに目覚めていく…というストーリーだ。
繊細な絵柄とリアルな高校生の生態描写が印象的。作者の珈琲先生も昔から吃音の悩みを抱えておられたそうで、主人公の心の声は先生が感じたことを代弁しているような気がする…吃音症という社会派テイストを感じさせる一面もすごくリアル! そして、ふとしたワンシーンからも感じられる「踊っている」という躍動感が好き! 視覚で感じるダンスと音楽は生まれて初めての感覚で鳥肌が立った。ヒロインとの絶妙な距離感もすごくいい! 尊い!