ワンダンス(11)
3年生最後のコンテスト「ダンスアリーナ」の地方予選が始まる。自分のスタイルへの迷いから部活に身が入らず、補欠メンバーになってしまったカボ。恩ちゃんはカボのステージでのパワーは評価しているものの、気持ちが乗っているからできる表現だからこそ、今回カボを選ぶわけにはいかなかった。予選開始まであと30分。湾田がカボにダンスバトルを提案する。自分とのバトルで、曇りなく踊れる姿を恩ちゃんに見せればいいと伝える。「思えば…こうして向かい合って踊るのも久々な感じがする」コンテスト出場を賭けて、湾田とのバトルが始まる!
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「俺はダンスを直視することが出来ない」と言う主人公は、中学時代の体育でダンスを上手に踊れなかった苦い経験から、ダンスに対して抵抗感を抱いていた。それに加え、吃音症で自分の気持ちが出せない彼だったが、ある日、クラスメイトの女の子がダンスを練習しているところを目撃し、踊る姿に目を奪われた。そして、彼女に惹かれて共にダンス部に入部し、ダンスの楽しさに目覚めていく…というストーリーだ。
繊細な絵柄とリアルな高校生の生態描写が印象的。作者の珈琲先生も昔から吃音の悩みを抱えておられたそうで、主人公の心の声は先生が感じたことを代弁しているような気がする…吃音症という社会派テイストを感じさせる一面もすごくリアル! そして、ふとしたワンシーンからも感じられる「踊っている」という躍動感が好き! 視覚で感じるダンスと音楽は生まれて初めての感覚で鳥肌が立った。ヒロインとの絶妙な距離感もすごくいい! 尊い!