演歌の達
演歌をこよなく愛し、“演歌の逹”と言われる日を夢見て大手レコード会社「テイトウレコード」に就職した越川逹は、一年半の営業部勤務の後、念願の制作部への異動の内示を受けて大喜び。その夜。逹は新宿で偶然、知り合いの若手歌手・宮内さやかに出会う。彼女は、逹が初めて店頭キャンペーンを担当した演歌歌手で、その成長を楽しみにしていた歌い手だった。しかし、逹はその宮内さやかから、歌手をやめて故郷に帰る決心をしたということを告げられる……
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敏腕ディレクターの牧比呂美が、その歌唱力に惚れ込んだ水原紬。名もないバンドのボーカルだった紬の将来性を信じて、牧は定例会議で彼女をソロで売り出す提案をする。名もない女子大生をデビューさせるという大胆な提案だったが紛糾することもなく、牧の提案をそのまま受け入れる形で会議は終了した。あまりにも、あっけなく水原紬のデビューが認められたことで、牧の発言力の大きさに感心する達。しかし、そんな達にある社員が“牧の提案があっさり通ったのは、彼女を他社から引き抜いてきた富山部長が彼女の後ろにいるからだ。それというのも、牧は部長の愛人だからだ”という良からぬ噂を吹き込む。しかし、こんな噂を立てられている当の二人は、全然意に介することもなく仕事に打ち込んでいく。そして、ある夜。牧は紬のデビュー曲の作曲を“伝説の男”に依頼する予定だと達に告げる。その男の名は「坂戸諒」。坂戸はかつて、アイドルから演歌歌手までに曲を提供し、ヒットを連発していた作曲家だったが、突然姿を消してしまった謎の男だった………
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