ボーイズ・ラン・ザ・ライオット(2)
身体は女、だが心は男。自分の性別に悩んでいた高校2年生の凌は、自由奔放な留年生・迅や写真部の逸香を相棒にファッション・ブランドを始めた。自分たちのブランドを広めるため、まずは資金を稼ごうとする3人。凌は、居酒屋でバイトを始める。そこで美大に通う女性・百瀬水月と出逢った凌は、彼女に自らの“芯”を見抜かれる――。「ねェ――君、本当は男の子?」女性の身体で生まれた「少年」は激動の日常のなかを、苦悶し、戦い、疾走する!!
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※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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身体は女、心は男。主人公はトランスジェンダーの男子高校生です。誰にもそのことを打ち明けられず、学校の制服でスカートを強制されることに嫌気がさしていた頃、彼のクラスに派手な恰好をした留年生が現れ、「一緒にブランドをやろう」と話を持ち掛けるところから物語は始まります。
この数年で「ジェンダー」や「LGBTQ」という言葉もかなり浸透しましたが、性別だけでなく、見た目、年齢、肩書きなど、世の中にはまだまだ偏見や決めつけが多くあります。「男だから/女だから」に留まらず、「独身だから/既婚だから」「母親だから/父親だから」「子どもだから/大人だから」のような、世間の「〇〇だから」が気になって生きづらさを感じたことは誰にでもあるでしょう。
『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』には、もっと「性」は流動的でいい、自由でいい、人間とはもともとそういうものだから、という強いメッセージを感じます。SDGs(持続可能な開発目標=「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」など、2030年までに達成を目指す17の目標のこと)の目標5に掲げられている「ジェンダー平等を実現しよう」への理解を深められるととも に、「自分の身近なところにある差別や偏見に気づき、それを変えていく」という、人としてあるべき態度を学べる作品です。
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