バロック~歪んだ真珠~
番外編後篇 聖処女 弐(3)
「きみは金で買われた花嫁なのだよ」時は大正、時代はまだまだ男性優位で、女学生たちの関心はもっぱら自分がどれくらい地位のある殿方に貰われるかということ――。そんな中私だけがまだ結婚に現実味がなく、子供の頃から兄妹のように育った使用人の吉也と、共にいつまでもいたいと願っていた。けれどその願いはある日突然崩される。突如として現れた地方の成金財閥、清瀬川公司郎。彼が私の許嫁だという。私の知らない所で、私は金で売られていた。十六年間誰にも触れさせたことの無い肌を無理矢理開かれ、この日から私の地獄は始まった。公司郎だけではなく、舅や義祖父までもが私の躰を弄び…私は堕ちた…。吉也…私は汚されてしまったの…。
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