荒木浩之の漫画
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巻 99 pt
『風立ちぬ』は小説家・堀辰雄(1904~1953年)の代表的作品。 売れない小説家である主人公と、結核を患っている婚約者・節子が 八ヶ岳の麓にあるサナトリウムで過ごした日々を描いた中編小説です。 当時、結核は不治の病とされていましたが、四季折々の美しい風景描写や 穏やかな時の流れが、“生と死”という、ともすると重苦しくなりがちな作品に、 独特の透明感を与えています。 「風立ちぬ、いざいきやめも」という言葉の意味とともに、その世界観を味わいましょう。
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巻 99 pt
『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治(1896~1933)が書いた童話です。 貧しい少年ジョバンニが、親友のカムパネルラとともに 銀河に沿って走る「銀河鉄道」に乗り、美しく哀しい夜空の旅をするという幻想の作品です。 宮沢賢治は37歳の時、膨大な未発表原稿を遺してこの世を去りましたが 本作品もそのひとつです。 彼は1924年ごろに本作品の初稿を執筆し、晩年まで4度にわたり推敲。 しかし、未定稿を遺していったため、のちに研究者はさまざまな解釈を行いました。 そんな背景にも思いを馳せながら、独特の世界観を楽しましょう。
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巻 99 pt
短編小説『走れメロス』は昭和15(1940)年、太宰治が31歳の時に発表した作品です。 太宰はユーモアに富んだものからダークなものまでさまざまな作品を生み出しましたが、中でも『走れメロス』は愛と友情を描いた清々しい物語です。 羊飼いの青年メロスは、妹の婚礼が近づいたため町まで花嫁衣装を買いに行きました。その際、町の人から「王様が人間不信に陥り、人々を虐殺している」という話を聞きます。正義感の強いメロスは、王を暗殺しようと決意。城に侵入しますが捕まり、死刑を宣告されました。 しかしメロスは、処刑される前に妹に結婚式を挙げさせたいと懇願し、3日間の猶予をもらいます。その間の人質は、メロスの親友です。 メロスは3日後の日没までに必ず帰ってくると友に約束し、一睡もせずひたすら駆けていきました。
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巻 99 pt
『吾輩は猫である』は1905年から06年にかけて、『ホトトギス』で連載された夏目漱石の処女小説。彼が38歳の時、俳人で小説家の高浜虚子のすすめにより発表された作品です。漱石は本作のあと、『倫敦塔』(ろんどんとう)、『坊っちゃん』と立て続けに作品を発表し、作家としての地位を向上させていきました。漱石が小説家としてのキャリアを歩み出すきっかけになった、記念すべき作品です。 物語は、中学教師・珍野苦沙弥(ちんの・くしゃみ)の家に暮らす“吾輩”こと飼い猫の目を通して描かれています。猫は苦沙弥先生のもとに集まる自称知識人たちの生態を注意深く観察し、人間の愚かさや滑稽さを笑い飛ばしたり、疑問を投げかけたりするのです。 漱石はユーモアに富んだ洒脱な文章で、人間社会を痛快に風刺しています。 「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」というあまりにも有名なくだりから始まるこの小説は、誰もが一度は読んだことがあるでしょう。改めて読み返してみると、初めての時とはまた違った発見があるはずです。発表されてから100年以上経った今も、その魅力は色あせるどことか、現代の私たちにさらなる気づきを与えてくれます。
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