山田花子の漫画
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巻704 pt
その繊細過ぎる観察眼は、他者からの言動をこじらせ、自己をこじらせ、人間関係をこじらせていく… 1992年、24歳で自らの命を絶った伝説の漫画家、山田花子のコミックが、待望の電子化 “やっとのことでしんどい小学校から解放されたと思ったら、また新しい刑務所に入れられるのか” 山田花子はよく、立場の弱く他の人に上手く馴染めない人を主人公に据えた、「いじめ」の物語を描くが、根底のところは、「他者の視線」と「人間のヒエラルキー」が執拗にテーマとなっている。 ヒエラルキー上位の者は、下位の者へ、無意識に、横柄な態度や、“あなたのことを思った”説教をしたがり、下位の者は、たとえムッとしてもそれに耐えてしまう。 下位の者は更に下位の者に、“自分の仲間”だと思われないように――取り入られないように気をつけなければならない新学期。 しかし、彼女の自意識は、「周りにどう思われるか」を更に進んで、「周りにこう思われている自分を自分がどう思うか」というところまで拗らせているから、弱い者をはねつけることもできない。 結果、上位の者には“自然に”居丈高にされ、下位の者には“うっかり”寄生されてしまう……。 生きることに絶望しそうになったあなたに寄り添う最後の友として。 『からっぽの世界』では、<人の道シリーズ><花子の女子高生日記>など、学生生活の鬱屈、男女関係に含まれる権力構造を描いた珠玉の傑作短編を収録。
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巻704 pt
――タマミは、いつも決まりきったセリフしかしゃべれない。相手が期待していそうなリアクションをとる。「友達」がいないと、世間から「人間」らしく思われないのでまったくノリの合わない周囲にムリして溶け込もうとする。 ――だけど、最後にたった一度だけ“掟”を破って心からやりたいことをした。 「自殺って悪いことだけど、私、もう生きていたくない!」――(マリアの肛門 第9話「自由への飛翔」より) こうあらねばならぬという世間の常識と、建前を巧く演技できない自分の姿との乖離と、こう思われたくないという視線恐怖の苦しみと。「普通」ならここではこう思わないといけないという規範と、そう思えない自分の本音との隔絶と。 まっとうな生の場ではぎくしゃくする厄介者の心安らかな幸福はもはや死しかないのか。1992年、24歳で自らの命を絶った伝説の漫画家、山田花子の非凡で非情な観察眼が冴え渡る傑作短編集、待望の電子化。
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巻704 pt
元祖“こじらせ系”の魂は、時代を越えて受け継がれていく…… 1992年、24歳で自らの命を絶った伝説の漫画家、山田花子のコミックが、待望の電子化 “バカ”“ブサイク”“ビンボウ”の三重苦を抱え、クラス全員からゲロ呼ばわりされる山田花吉と、彼にしか見えない美少女ヒカルが主人公の、「ノゾミカナエタマエ」シリーズ、オーダーが上手く取れないなどの理由でクビとなる喫茶店アルバイトの経験を描いた、「心の暗闇」シリーズをはじめ、「マリアの肛門」「みんな燃えてしまえ」「悲しきダメ人間」など、ヤングチャンピオンやガロに発表の短編を中心に編まれた『花咲ける孤独』。 “今、コイツのタバコを奪って目ン玉に押しつけたらどうなるだろう…… 対人関係に疎外と鬱屈を抱えながらも爆発できず遂には自家中毒を起こしてしまった作家の観察眼は、現在も古びていない。 何気ない日常生活に潜む些細な心の動きを鋭く炙り出し、人間の見たくない部分を突き付ける傑作オムニバス集。
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