九条の大罪 6

俳優崩れサパー店員はいかにして金を掴む?

リアリティーショー番組のオーディションに受かり
将来は戦隊モノをステップに
売れっ子俳優になると息巻く数馬。
それを眩しそうに見守る、田舎から出てきたての
千歌。

将来の夢を熱く語り合っていた若いカップル…
しかし現実の壁の前に、
現在はそれぞれ負のスパイラルに。

売れないサパー店員となり、鬱屈した日々を過ごす数馬。

パパ活女子の斡旋をしながら、自らもいくつかの愛人契約を
掛け持ちし、上ずみだけの人生を歩む千歌。

一度陥った負の連鎖からは簡単には抜け出せない。

千歌への想いだけは変わらぬ数馬が
たまたまサパーへ遊びに来た壬生や九条と出会うことで、
人生が再び大きく動き出し…!?

さらには、九条のここ最近の案件に関して
良く思っていない烏丸先生が…!?

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になる のに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

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