九条の大罪 4

容疑者はぴえん女子。殺人事件の真相は…?

欲望渦巻く街・歌舞伎町で起きた殺人事件。

容疑者は彷徨える“ぴえん女子”しずく。
彼女は、なぜ人を殺したのか。

マッチングアプリで出会った男に恋に落ち、
AV女優への道を辿っていく彼女。
その先にある未来は・・・殺人?

九条に語る、それまでの日々。

しずくの人生を取り巻くのは、
「愛」と「道徳」、いや、「カネ」と「法律」か。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になる のに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

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