ダイヤのA(32)
春のセンバツ出場を懸けた秋大も三回戦。相手は青道(せいどう)のライバル・稲実(いなじつ)に競り勝ったエース・梅宮(うめみや)率いる鵜久森(うぐもり)高校! 先発・降谷(ふるや)の不安定な立ち上がりを、梅宮の剥き出しの闘志が襲う!! その時、御幸(みゆき)は……?
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試合に出ること。
それを当たり前のことのように描いているスポーツマンガは、やはりフィクションだと感じてしまう。
『ダイヤのA』は野球エリートを集めた強豪校を舞台にした高校野球マンガである。甲子園に出ることはとても難しいことだが、甲子園を目指すチームで試合に出ることは、同じくらいに難しいことだ。甲子園のアルプススタンドで声を張る3年生が美しいのは、彼らの中にはチームの誰よりも練習をして、それでもベンチの18人に入れなかった男がいるからである。
試合に出られない悔しさが高校球児を大人にするし、レギュラーを奪うための努力が青年を男にする。そんなことを、このマンガは教えてくれる。そして「そこ」を描くことが、プロ野球ではなく高校野球を描く意味なのだと、私は思う。(書店員・アンコウ)