弟の顔して笑うのはもう、やめる 第二十八巻

もうすぐ夏休み。梅雨の晴れ間の朝。お母さんが黄色い花を花瓶に挿している。「おはよう」の挨拶だけでその事について私たちは特に何も話さない。いつも通りだ。先に登校する蒼介を無言で見送る。蒼介もいつも通り。でも本当は違う。約束の時が、刻一刻と近づいて来る。

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