遮那王 義経(9)

漂太(遮那王)に平家打倒の望みを託し、本物の牛若丸は逝ってしまった──。己の死期を悟っていた彼の最後の望み通り、漂太は身代わりではなく、源氏の棟梁の子・牛若丸として生きる決意をする。牛若の遺志を継ぎ、平家打倒の力を蓄えるためには、鞍馬を脱出し奥州へ行かねばならない。だが、鞍馬へ戻った漂太を待っていたのは、寺の厳しい監視だった。幼なじみである軒下一座の面々との別れに、漂太の心は揺れる……。

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  • 遮那王 義経(1)

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    京都の古い神社から見つかった古文書。そこには牛若丸(源義経)が、若干16歳にしてこの世を去ったと記されていた。驚愕のもうひとつの義経伝説がここに始まる! ──時は遡り平安時代末。京の都での出来事。旅芸人の少年・漂太は自分と外見が瓜二つの牛若丸(源義経)の身代わりを依頼された。漂太と牛若丸――二人の数奇な運命がここから動き始める。2004年、講談社漫画賞少年部門を受賞した傑作、開幕!
  • 遮那王 義経(2)

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    平清盛が最高権力者の時代。牛若丸(義経)の身代わりになった漂太は、清盛の前でも完璧に牛若を演じてみせる。しかし、その姿に将来自分をおびやかす資質を予見した清盛は、罠を仕掛ける。遊び相手と称して漂太の元に送った小太郎、小次郎兄弟。二人は禿頭(かむろ)と呼ばれる平家が設けた陰口聞き込み隊だった。清盛の思惑通り、罠にはまり捕らわれる牛若丸の母・常盤。その母を助けるため漂太は山寺へ行くことを決意する。
  • 遮那王 義経(3)

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    「山寺で僧となり、一生人界との縁を断て」と、清盛から山中の鞍馬寺へ追放された、漂太演じる牛若。さらに清盛は牛若の命を狙い刺客を送るが、漂太は護法魔王と名乗る天狗に教えを受け、からくもこれを退ける。これが大きな事件の発端となった。漂太の透徹した視線は、清盛の悪意をも凌駕する! 一方、漂太と同室の吉兆丸は、貧しさを理由に公家出身の宗蓮たちにいじめられていた。だが、漂太は吉兆丸の味方につき……?
  • 遮那王 義経(4)

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    遮那王、そう名付けられた漂太の前に、異形の僧・鬼若丸が現れる。蔑(さげす)まれる人生を送ってきた彼と心を通わせ、友となる漂太。 初めての友情に、心からの涙を流す鬼若丸は、漂太の危機にその身を投げうつ! この友こそが、後に義経の稀代の忠臣となる武蔵坊弁慶の若き姿であった。心通わせた友とすれ違うように鞍馬に現れたのは、立派な輿(こし)に乗った美しい少女・徳子。ここにもう一つの運命の出会いが……?
  • 遮那王 義経(5)

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    天狗を探しに鞍馬山を訪れ、漂太(遮那王)に出会った少女・徳子。マムシに咬まれた徳子を漂太が救い、二人は淡い好意を抱き合う。が、徳子の父は、思ってもみない人物だった! 一方、本物の牛若は、漂太の仲間・軒下一座とともに高貴宴に招かれる。しかし、それは清盛の太政大臣就任の宴だった。入れ替わりが清盛にバレれば命はない。────清盛の魔手が牛若に伸び、そして牛若は、己の一生をかけた決断を下す!!
  • 遮那王 義経(6)

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    一生を家の蔵に閉じこもって過ごす決意をした本物の牛若。一方、漂太(遮那王)は、仲間である軒下一座の面々を鞍馬寺に僧兵として迎え入れるため、影の頭領・鎌爺と一戦を交える! そんな中、女の子でありながら、僧兵として寺に入った「りん」の正体がバレてしまい……? そして漂太は、牛若の兄・頼朝の悲しい身の上を聞く。平治の乱で出陣した少年・頼朝は、父を失い、捕えられ、清盛によって伊豆に流されていた──。
  • 遮那王 義経(7)

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    平清盛の娘・徳子が天皇に嫁ぎ、平氏の勢力をさらに盤石なものにしていた。そんな中、源氏でありながら平清盛に仕える源頼政が鞍馬を訪れる。漂太(遮那王)に出会い、その才能を見出した頼政は、源氏の未来に希望をつなぐ。一方、久々に蔵を出た本物の牛若は、平氏の使者にその姿を見られてしまう。六波羅の調べが漂太にも及ぶと直感した牛若は鞍馬へと向かうが、病は着実に牛若の身体を蝕(むしば)んでいた……。
  • 遮那王 義経(8)

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    清盛の疑いが漂太(遮那王)に向いていることを警告するため、牛若は病をおして鞍馬に駆け付ける。久々の再会に楽しく会話を交わす牛若だが、彼は己の死期を悟っていた。「平家を討つ!」 漂太とともに宣戦布告の矢である鏑矢を六波羅に向けて放つ牛若。が、鞍馬から戻った牛若は吐血して倒れ……? そして鞍馬寺には、漂太の天与の才を恐れる清盛が現れる。源氏を、侍を捨てた証しとして得度(とくど)して出家せよと迫るが!?
  • 遮那王 義経(9)

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    漂太(遮那王)に平家打倒の望みを託し、本物の牛若丸は逝ってしまった──。己の死期を悟っていた彼の最後の望み通り、漂太は身代わりではなく、源氏の棟梁の子・牛若丸として生きる決意をする。牛若の遺志を継ぎ、平家打倒の力を蓄えるためには、鞍馬を脱出し奥州へ行かねばならない。だが、鞍馬へ戻った漂太を待っていたのは、寺の厳しい監視だった。幼なじみである軒下一座の面々との別れに、漂太の心は揺れる……。
  • 遮那王 義経(10)

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    本物の牛若の義父である藤原長成は、金売り吉次という商人に頼み、漂太(遮那王)を奥州平泉へと逃がすことにする。しかし、奥州行きを前にして、遮那王は五条大橋に出没する怪僧・武蔵坊弁慶の噂を聞く。弁慶の正体は、かつて生涯の友情を誓った鬼若なのか? 漂太は弁慶の悪行を止められるか!? いざ決戦、五条大橋! そして、漂太は奥州を目指す。しかしそこにも清盛の監視の目は光っていた……!
  • 遮那王 義経(11)

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    「遮那王」最後の日──。奥州行きの途中、ついに名を改める漂太(遮那王)。牛若の父・源義朝の名から“義”の一文字を、そして、鞍馬寺の仲間や思い出を表す字“経”を用い、自らの手で元服し、「源義経」と名乗る! 一方、業を煮やした平清盛は、宋銭五百貫の賞金を遮那王の首にかけた。賞金稼ぎの目をくらますため、漂太と弁慶は吉次たち一行と別れ、一時的に山賊「夜叉党」に入ろうとするが……!?
  • 遮那王 義経(12)

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    武蔵坊弁慶とともに奥州を目指す漂太(義経)の首に、平清盛が五百貫の賞金をかけた。賞金稼ぎたちへの目くらましにともぐりこんだ山賊団「夜叉党」で、漂太は頭(かしら)の“盛(もり)”という男に出会う。過去のしがらみを曲げてでも漂太を守ろうとする盛に、漂太は新たな絆を感じる。「勇の者」、現る! ──そして、白河の関へ行く期日も迫る中、漂太は伊豆を訪ねる。本物の牛若の兄・源頼朝に会うために……!
  • 遮那王 義経 奥州編(13)

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    漂太(義経)、未知の世界・奥州平泉へ!! 伊豆に流された本物の牛若の兄・源頼朝に会い、平家打倒の決意を固くする漂太。山賊の頭、伊勢三郎能盛(いせさぶろうよしもり)、通称“盛さん”を「勇の者」として臣下につけた漂太一行は、白河の関を目指す。そこから先は奥州、平家の手も届かない別世界。その中心、金色の都市・平泉に座すのは、奥州十七万騎の王、藤原秀衡(ふじわらのひでひら)! 新編・奥州編、ここに開幕!
  • 遮那王 義経 奥州編(14)

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    「忠の者」武蔵坊弁慶と「勇の者」伊勢三郎能盛を従え平泉に入った漂太(義経)一行。奥州の王・藤原秀衡(ひでひら)に、率直に「平家打倒に力を貸してほしい」と告げた漂太は、人物を見極めるまで、と秀衡のもとに身を寄せることになる。そこで出会った秀衡の家臣、佐藤継信・忠信兄弟に私怨を抱く者の襲撃計画を知った漂太は……? 勝ち目のない戦いに挑もうとする本物の武士・佐藤継信を救うため、漂太は秘策を練る……!!
  • 遮那王 義経 奥州編(15)

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    佐藤兄弟の危機を救い、信頼を得た漂太(義経)。が、そんな兄弟も問題を抱えていた。兄に勝てぬ弟は、複雑な思いを抱いていたのだ。そんな時、物の怪騒ぎが持ち上がる。漂太は二人の距離を縮めることができるのか? そして、平家打倒の力添えをと頼んだ漂太に対し、奥州の覇者・藤原秀衡(ひでひら)は、その度量を試そうとする。「息子の馬を借りてきてほしい」という、一見簡単な頼み事に隠された秀衡の思惑とは?
  • 遮那王 義経 奥州編(16)

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    平泉を訪れた異国・金国(きんこく)の使者、コヨウ姫。弁慶は、自分の心の傷を見抜いた、強く美しいコヨウ姫に恋をする。金国との友好反対派によるコヨウ姫暗殺計画の噂を聞いた弁慶は、一人独断で姫を警護しようとするが、刺客と間違えられ捕らわれてしまう!! 全身全霊をかけてコヨウ姫を助けようとする弁慶に、姫の心は次第に打ち解けてゆき……? 武蔵坊弁慶、一生に一度の命を懸けた恋の行方は?
  • 遮那王 義経 奥州編(17)

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    馬術に優れた金国人・リヤンの技を目にした漂太(義経)は、馬術の限りない可能性を感じる。乗馬技術を教えてくれと頼み込んだ漂太だが、半月練習しても落馬続き。果たして人馬一体の真髄とは……? 一方、平家側の人間が新しい陸奥守に着任した! 平清盛は、平泉へ赴く藤原範季(のりすえ)と、その甥、範光(のりみつ)に、義経探索を命じる。僧に身をやつして平泉を訪れた範季と範光に、偶然出会ってしまった漂太は!?
  • 遮那王 義経 奥州編(18)

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    平清盛の命を受け、新しい陸奥守・藤原範季(のりすえ)と、その甥、範光(のりみつ)の二人は、漂太(義経)探索のため平泉を訪れる。敵を攪乱(かくらん)させようと、自ら義経探索を手伝う漂太だが、絵心のある範光は似顔絵を完成させてしまう! 清盛の真の刺客とは? 範光の本当の身分とは? そして、漂太(義経)こそ「牛若丸」だと知った新陸奥守・範季は、漂太の庇護者であり奥州の王・藤原秀衡(ひでひら)に問う……!
  • 遮那王 義経 奥州編(19)

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    本物の牛若の兄・源範頼(藤原範光)に会い、平氏打倒の夢を語り合った漂太(義経)。だが、つかの間の平穏の陰で、奥州の覇者・藤原氏打倒の陰謀が不気味に動き始める! 付け火の横行、重臣たちの暗殺……。現場には「この国に天誅をくだす」との書置きが残され、ついに藤原秀衡(ひでひら)の息子、泰衡(やすひら)が敵に捕らわれた。秀衡は、奥州藤原にとって最悪の敵を覚悟する。奥州国家転覆をはかる闇の正体とは……!?
  • 遮那王 義経 奥州編(20)

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    奥州藤原氏を狙った襲撃の数々は、藤原氏に恨みを持つ旧敵・清原氏の陰謀だった。狙いは奥州国家転覆、そして乗っ取り──! 奥州の平和を考える覇王・秀衡(ひでひら)は、捕らわれた息子・泰衡(やすひら)の命を犠牲にしても敵を殲滅(せんめつ)するという苦渋の決断をする。一方、捕らわれた泰衡を救出しようとする漂太(義経)は、なんとかして秀衡の決断を覆そうとするが……。そして運命の朝、藤原軍、全軍突撃!!

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