激濤(4)

1983年。世の中は空前のおしんブームに沸いていた。漁に夫婦で出かけるため、もっぱら再放送で楽しんでいたシズさん。ビデオデッキがあれば、もっとゆっくり漁に出れるのに。旦那の徳さんにビデオデッキをせがんだ翌日5月26日正午。漁を終え港に戻る途中、船底をたたかれるような振動に襲われた。何が起こったかわからず港に着くとようやく状況が飲み込めた。大地震。漁師仲間と情報を交換する間もなく、港を大津波が襲いかかる!! 次々と転覆する停泊中の漁船たち。漁船の中には、徳さんがまだ残っていた。徳さんの運命やいかに!? 津波に巻き込まれたものと残された家族。そしてそれらの現実を追跡調査により追い求める者。釣り人であり漫画家の矢口高雄が、自然の厳しさと生命の尊さを真正面から描き出した鎮魂歌。全4巻。完結編。

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