アサギロ~浅葱狼~ 28

◆さようなら、山南敬助。

出会いは沖田15歳、山南23歳の時。
共に試衛館で励み、
共に江戸から京へ上り、
共に新選組を作った人。

厳しく優しい兄のようで
かけがえのない友のような人。

其の人と、今生の別れの日が来る―――

元治二年二月二三日。
山南敬助、自刃ニ伏ス。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

「新撰組」の作品は数あるが、もうお腹いっぱいという人にも是非読んでもらいたい作品。
剣術メインのストーリー構成と迫力満点の立会い、そして個性豊かなのちの「狼」たちのコミカルなやり取りがこの作品の魅力だ。
沖田総司となる惣次郎は格別の強さと「頭の弱い」感じの微妙なバランスが魅力的。そして、惣次郎が慕う近藤勇は引きこもり気味だが、圧倒的な大らかさと立会時の凄まじい迫力に読んでいて引きこまれてしまう。
そんな二人が通う道場・試衛館には、竹刀剣術とは異なる「斬る」ことを主とした教えと人を引き付ける近藤の魅力で「狼」が次々に集う。一人一人の「狼」を背景から丹念に描き個性豊かに仕上げているのも作品の魅力だ。
ただ、やはり一番の魅力は見ごたえ十分の立会シーン。刀は斬れる。その当たり前を存分に活かした描き口は、迫力がコマから溢れだす。

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