同じ月を見ている 7
ドンから送られてきた絵を手にしたまま、路上で冷たくなっていく金子。金子と電話で話をしていた鉄矢は、金子が刺され、瀕死の状態にあることを知る。そして、警察が駆けつけた頃、金子はもうあの世へと旅立っていた…。その夜、鉄矢は金子の遺体の前である決意を固める。全てを捨てて、ドンに会いに行くこと。それが、鉄矢に残された最後の道だった…!!
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愛とはいったい何なんだろうか。
ドンは純粋で人を疑うことを知らない。そんなドンと同級生だった鉄矢は、アメリカ大使の病弱な娘エミと出会い、3人で遊ぶようになる。鉄矢はエミに惹かれるが、エミは純心で不思議な魅力を持つドンに惹かれていく。だがある夜、鉄矢が悪友と焚火をしていたところ、その火が木々に燃え移り、森の中にあったエミの家にまで延焼し、エミの父が死んでしまう。その一部始終を見ていたドンは、鉄矢の罪をかばって少年院に入る。それから2年後、ドンはエミとの二十歳の約束を果たすために少年院から抜け出す。ドン脱走の知らせを聞いた鉄矢の猜疑心は止まるところを知らず……
Khaki「違う月を見ていた」という曲がある。このマンガが好きなメンバーが、言葉を全部逆にして曲のタイトルにした。このマンガのタイトルがエミとドンの関係を表すのだとしたら、この歌はエミと鉄矢の関係を表しているように思う。相手を自分のものにしたいと強く願う愛情では、同じ月は見られない。ドンのように相手の幸せを純粋に願うことで、初めて同じ月を見ることができる。鉄矢もそんなドンに感化され、変化が現れる。嫉妬と劣等感に飲み込まれた鉄矢が 「違う月を見ていた」と過去形で語る変化を見届けてほしい。
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