環と周【単話】 3
70年代末、余命いくばくもない独り身の環は看護婦の仕事を辞め、好きなことをして暮らそうと決意する。そんな折、同じアパートに住む子ども・周と出会い――。さまざまな形で私たちの間に存在する、“好き”を繊細に描き出すオムニバス連作、第3巻。
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11pt
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時は再び現代へ。平凡な日々を送る夫婦、そして娘。すべての出会いには意味があり、それは愛に導かれる。さまざまな形で私たちの間に存在する、“好き”を繊細に描き出すオムニバス集、物語の真髄に迫る感動の完結巻。
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※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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娘の交友関係に揺れる夫婦、女学校の同級生の和やかな友情、
アパートの住人同士のささやかな交流…
この物語に描かれるのは、そういったどこにでもいそうな人々のすれ違いと触れ合いです。
しかしそこは名手・よしながふみ先生。
「マンガが……うまい……」としか言えなくなる心憎い間合いと展開力で
唯一無二の人間ドラマに仕上げています。
生きた時代も性別も状況も違う登場人物の共通点は「環(たまき)」と「周(あまね)」という名前。
時間の流れやめぐり合わせといった言葉を連想させるところがまた素敵です。
よしなが先生はこの作品で時代を超えた、
名づけえないけれどかけがえのない関係性を描きたかったのでは!?と思ってしまいました。
貫録の筆致で描かれる、シンプルなのにとびきりおいしいごちそうのような作品。
オムニバス形式なので、あらすじで気になったものから読んでみるのもいいかもしれません。
ひとりでも多くの方に味わっていただきたいです。