ハコニワノイエ(2)

空気が読めない変人心理学者・天根清子は、自殺した友人の遺言で二人の子供を中学育てることになる。
中学2年生の悠斗とわがまま盛りの4歳児・凜音。清子は心理学を武器に奮闘するが、いきなり始まった子育ては学術通りにはいかず四苦八苦。
そんな清子を困らせまいと「いい子」にふるまう悠斗だったが、編入したばかりの学校で問題を起こしてしまう。クラスメイトが悠斗に貸した傘が、翌日ボロボロに壊れて捨てられていたのだ。心の闇が表出した悠斗に、清子がとったのはまさかの行動で!?

SNSで話題沸騰!「普通の幸せ」から外れた3人の、歪であたたかい家族の物語、待望の第2巻!!

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

心の奥底の感情を、しっかりと見つめなおしてくれるストーリー。

自殺してしまった友人の子ども達の面倒を見ることになった、心理学者の清子。しかし人の心が分からず、いつも歯に衣着せぬ物言いで人を怒らせてしまう清子は、友人の子ども達への扱いに戸惑うばかり。
清子が、心に傷を負った2人の子ども達にとって母親という役目は果たせずとも、
唯一の頼れる大人として真摯にまっすぐ子ども達と向き合う姿は、読者であり大人の私にとっても、じんわりと心に響きました。
本作は心理学がキーポイントとなって展開していく物語です。
人間の行動にはそんな深層心理があったのかという発見はもちろんですが、
そこから読み解くことのできる人の弱さを、私たちが思っているよりもずっと豊かに捉えることができるのだと教えてくれます。
そして、「母・友人の自殺」という受け止めきれない事実を背負うとはどういうことか。そんな死の淵に近い立場にいて「生き続ける」とはどんな苦しみがあるのか。
決して穏やかではないテーマですが、家族ではなく他人だからこそ補い合うことができる関係もあるのかもしれないと考えさせられました。
「ファミ リー・ストーリー」の指す"ファミリー"とは何か、ぜひ本作を読んで感じてほしいです。

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