霧神島 第四篇
※本作は雪野みなとの個人誌作品の電子書籍版です。【フルカラー24ページ】
少年には好きな人がいた。
明るく元気でクラスの人気者。
二人は話すうちにお互い心惹かれるようになった。
しかし―――
少女は生贄に選ばれた。
少年は島の宮司の息子であり、将来神社を継ぐ者である。
代々続く島の風習は彼にも逆らえない守るべきことだった。
「寂しいことだけど仕方が無い」
そう思って諦めるしかなかった。
そして、生贄の儀式が執り行われて1ヶ月後……
少年には好きな人がいた。
明るく元気でクラスの人気者。
二人は話すうちにお互い心惹かれるようになった。
しかし―――
少女は生贄に選ばれた。
少年は島の宮司の息子であり、将来神社を継ぐ者である。
代々続く島の風習は彼にも逆らえない守るべきことだった。
「寂しいことだけど仕方が無い」
そう思って諦めるしかなかった。
そして、生贄の儀式が執り行われて1ヶ月後……
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※本作は雪野みなとの個人誌作品の電子書籍版です。【フルカラー23ページ】 その島には古くから続く因習があった。 その昔、島に謎の瘴気が発生し、 島民は病に冒され多数の死者が出たという。 島の宮司は島民に忘れられた 山に住まう霧の神の怒りだと言った。 島民が宮司に従い、島の娘を一人選び 神の生贄に捧げると瘴気はぴたりと止んだ。 島民は宮司に感謝し、言いつけ通り 五年に一度生贄を捧げる儀式を続けた。 また、神を畏れ敬いその存在を忘れないため その島は「霧神島」と名付けられた。 現在も「神納の儀」と呼ばれる生贄の儀式は 島民にとっては当然のこととして執り行われている。 しかしその儀式は神聖なものとされ、 殆どの島民は儀式の内容を知らされていない―――
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