扇島歳時記 (1)

たまを 十四歳。廓に生まれた少女が残した季節の記憶。

慶応二(1866)年、日本の花鳥風月と異国の文化が交錯する長崎・出島――
早逝する宿命を背負い、美しくも残酷な季節を生きたある少女の物語。

第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞!! 高浜寛最新作
『ニュクスの角灯』『蝶のみちゆき』に連なる「長崎三部作」最終節

(あらすじ)
長崎・丸山遊郭の「たまを」は姉女郎・咲ノ介の禿(かむろ)として出島のオランダ商人邸に入る。炊事、洗濯、お使い……日々の労働に四季折々の風物を見つけ、医師のトーンやコックの岩次、フランス人貿易商の息子・ヴィクトール、混血児の小浦百年など個性豊かな人々との出会いに「廓の外」を垣間みる。
「お前は大人にならんでええ…」かつての姉女郎・几帳の言葉の意味を測りかねたまま、たまをはいつか来る「その時」を静かに待つ――

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