花と骨 (1)
【あなたはなんて…酷い人や…】故郷を離れひとり東京の商社で働いていた八雲慎一。 だが、父親が大けがを負ったことにより家業を継がざるをえなくなり、火葬技師になった。仕事にも慣れてきたある日のこと。火葬場から自宅に戻ると、見知らぬキレイな人が微笑みながら会釈をしてきた。その傍らを数頭、黒い蝶が舞う。慎一は、子供の頃から濃い死の気配を感じるとそれが蝶となって見えることがあったため驚きのあまり後ずさるが、瞬きのあとには消えていた。気になって父に訪ねると、隣町にある花屋の店主だという。脳裏に焼き付く儚げな美貌と黒い蝶…この後すぐに彼と衝撃の再会を果たすことを慎一はまだ知らなかった。死が苦手な火葬技師 × 花屋の美人店主のしめやかに咲く恋物語。
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