べな : 2 【電子コミック限定特典付き】

令和の大型新人が鮮烈に放つ、江戸の夜陰に切なく熟れる恋の花
【本能に抗えない鬼×自己犠牲な美青年】

――鬼はヒトになれるのか?

見世物小屋を抜け出し、穏やかな暮らしを手に入れたべなと壱。
しかし日々のちいさな幸福が降り積もるほど、
べなは自分が鬼であること、人間とは違うことを強く意識するように。

そんなある日、お奈緒から駿河府中まで手紙を届ける"お使い"を頼まれる。
初めての旅路に昼も夜も仲睦まじく過ごす二人だったが、
壱は「べなが自分の元から去ろうとしてるのでは」と不安が募り…?

近づくほどに遠くなる。だけど、その痛みすら愛おしい――
既刊続々重版のお江戸人外ボーイズラブ、待望の続編!
描き下ろし&解説も収録!!

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

江戸時代の見世物小屋を舞台に繰り広げられる本作。この世の残酷さや不条理、いなくなった相手への贖罪の念といった仄暗い情念が中心に描かれているように見えますが、その本質は圧倒的救済の物語です。

自分を犠牲にすることでしか弟を守れないと思い込んでいた壱が自分を大切にすることを知り、人の言葉を知らなかった鬼の子・べなは言葉を学ぶことで「愛」という感情を知る――どこかが欠けた者同士が共に成長していく姿が愛おしすぎて、帯の「拝みたくなるボーイズラブ」というキャッチコピーに偽りなし……! 2人の成長は大きな痛みを伴うものですが、その痛みすら尊く感じられます。

そして、べなと壱に次ぐ本作のキーパーソン・ダンゾウについても語らせてください。壱とその双子の弟・二三を見世物小屋でこき使い、病弱な二三の存在を盾に壱を手篭めにした最低最悪の小悪党であると同時に、彼なりのやり方で双子を守り、二三への思いを心の奥底に秘めていたダンゾウ。彼の存在によって、この物語の奥行きがグッと増したといえるでしょう。こふで先生、どうかべなと壱だけでなく、ダンゾウのことも救ってあげてください……!

べなと壱を拾って くれた美人で男前な髪結屋の妻・お奈緒や、寺子屋の子どもたちなど、個性豊かな脇役たちと過ごす、心穏やかな日常もこの作品の魅力のひとつ。江戸文化が生き生きと描かれていて、思わずにっこりしてしまうような愛おしい情景が楽しめます!

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