はじめアルゴリズム(2)

老数学者・内田豊は廃校で出会った、小5の少年・関口ハジメと。ハジメは、数学において天才的な才能があった。内田は彼の才能に惚れて、彼を数学の聖地であり自分が住む京都に連れて行った。そこでハジメは同世代の数学少年・手嶋と出会い、さらに数学の世界に入り込んでいくのであった・・・。世界の見え方が変わってくる、数学をちょっとやりたくなる、ワクワクする成長物語。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

私は数学が苦手です…むしろ算数の段階から既に苦手でした。「足す・引く・掛ける・割る」以外の内容はほぼ忘れました。というより結局理解できずに学生時代が終わりました。そんな私にも「もしかしたら数学ってすごく楽しくて素敵なものなのでは?」と思わせてくれるのがこの作品です。
本作は、ある離島で小学生・関口ハジメと老いた数学者・内田豊が出会って始まる、数学にまつわる人々と数学のお話です。感覚を共有するというのは非常に難しいものですが、ハジメが数式を書いたり何かを見出したりするシーンには、数字が人に見えるとか風を受けて空を飛ぶとか、共感覚的な何かを可視化させたような表現があって、学生の私にはついぞ知り得なかった数学の美しさを知る人たちが、そしてそれを今まで見えなかった世界を見るために使える人たちが、本当にいるのだとうらやましく思いました。しかし同時に、遠くへ行くための方法は人によって異なり、それは例えばダンスかも読書かも音楽かもしれなくて、そして必ずしもうまく行くとは限らなくても終わりはないのだと、この作品は教えてくれているようにも思うのです。数学に苦手意識を持っている方にぜひ読んでいただきたい 作品です。

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