リウーを待ちながら(1)

富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!

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  • リウーを待ちながら(1)

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    富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!
  • リウーを待ちながら(2)

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    横走を襲った「悪魔の細菌」は、より狂暴に変質。抗生剤の一切効かなくなった患者に対し、医師たちには為す術が無く、死者の数は激増する。さらにSNS等による悪意・風評の拡散が、人々に精神的な苦痛を与える。これ以上ない絶望的な状況のなか、それでも医師・玉木、原神、そして横走市民は懸命に働き、愛し、そして──。新鋭・朱戸アオによる医療サスペンス、緊迫感横溢の第2巻!!
  • リウーを待ちながら(3)

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    横走市を封鎖した後も感染拡大は止まらず、死者の数は1万人を超え尚も増え続ける。疲労困憊する医師たちに出来ることは、「敗北をよりマシな敗北に、絶望をよりマシな絶望に」することくらいだった。そんな中、横走からの脱走を手引きする者が現れ、その脱走者リストが週刊誌にスッパ抜かれるという事態が……それは更なる悲劇へと繋がっていく。暗闇に光は射すのか? 各所で絶賛された、パンデミック物の新マスターピース完結!

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

新型コロナウィルスの感染拡大で、改めて注目された本作。
自衛隊演習の爆音で主人公の女性が目を覚ます1ページ目からしばらく彼女の日常が描写され、彼女が横走中央病院に勤める医師であること、その横走中央病院があるS県横走市は富士山麓に位置し、冒頭の演習が行われた自衛隊の駐屯地と病院とは近いことが示されます。そして、駐屯地に所属する隊員と思われる男性が吐血して病院の敷地内で倒れているのを発見されるところから、怒涛のようにストーリーが展開していくのですが、まるで新型コロナウィルスのような感染症が日本でも猛威を振るうことを想定していたかのように、どこかで最近見たような描写が次々と現れ、その合間合間にふとした日常生活の描写が挟まれることでかえってリアルさが増して、正直に言うと気が滅入るところもあるかもしれません。
情報統制、緊急事態宣言、都市封鎖、感染者や感染者が多い地域に対する差別や誹謗中傷などはまるで予言の書のようにも感じられますが、改めて読み直してみると、人間の本質はいつまで経っても変わらないということなのかもしれないと思わされたりもします。
タイトルにある「リウー」は、本作と同様にパン デミックを描いたアルベール・カミュの代表作『ペスト』の中で病と格闘する医師の名です。私たちは果たして、リウーのように、そして主人公のように振る舞うことができるのでしょうか。
本作は全3巻ですので、一気読みもできると思います。未読の方はぜひ読んで、いろいろと考えてみてください。テレビドラマ化もされた同じ作者の作品『インハンド』も、非常におもしろい医療マンガですので、あわせておすすめします。

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