繭、纏う 3
「繭、纏う。少女たちは透明になる。」
星宮女学園高等学校。
少女たちが纏う伝統の制服は、髪でつくられている。
ある日「最も美しい髪の少女」が、その髪とともに学園から消えた。
その消失を憂う「学園の王子」華。そして、華を密かに想う洋子。
少女たちの心の糸が絡みあう・・・・・・。
耽美な世界観で紡がれる、まばゆく切ないガールズラブ。
星宮女学園高等学校。
少女たちが纏う伝統の制服は、髪でつくられている。
ある日「最も美しい髪の少女」が、その髪とともに学園から消えた。
その消失を憂う「学園の王子」華。そして、華を密かに想う洋子。
少女たちの心の糸が絡みあう・・・・・・。
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誇り高い女学園で繰り広げられる、淑やかで甘美な群像劇。
明確な主人公が存在しない本作の最大の魅力は、女生徒たちが影響しあうことで交錯する心、揺れる気持ちです。
例えば「王子様」と呼ばれる少女・佐伯。昔から同性にも「かっこいい」と言われてきた彼女ですが、学園に入ってからは向けられる視線が少し変わったと感じています。その違和感は次第に増し、周囲の視線や言動によって王子様に「変えられていく」という苦しさに変わっていきました。
そんな佐伯の前に突如現れるのは、滅多に学園に姿を現さない深窓の令嬢・星宮です。窓から飛び降り「ずっと遠くに逃げられるような気がしたのだけど」と言う彼女に、佐伯は一緒に逃げないかと提案。ふたりの少女による、ささやかな逃避行が始まります。
このエピソードはほんの一例で、他にも魅力あるキャラクターが次々にフィーチャーされます。
表紙で本作に惹かれた方も多いと思いますが、作中ではストーリーの深みと相まって、魅了させられるシーンが多いです。
ピンときた方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。