レッドベリルにさよなら 1
【献身的な青年×死にたがり吸血鬼】「だったらオレを殺してくれ」子供の頃から誰にも必要とされず、自分の価値を見出せないでいた昭彦。生きることを諦めかけたその時、命を救ってくれた男・和重は、永い時を孤独に生きる吸血鬼だった――。恩人に何かお礼がしたい、と和重の元へ通う昭彦だが、「もうここには来るな」と冷たく突き放されてしまう。それでも彼の不器用な優しさに触れ、もっと知りたい、自分を見てほしいと惹かれる気持ちは抑えられず――。
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自分自身に存在価値を見出せず、投げやりになっていた昭彦の命を救ってくれた青年・和重。彼は、永遠の命を持つ吸血鬼だった…。
みちのくアタミ先生の新作は、なんと吸血鬼もの!
吸血鬼とはいえ人を襲うことはせず、輸血袋で食欲を満たす和重は「僕にできることがあれば言ってほしい」という昭彦の言葉に、だったら俺を殺してくれと言い放ちます。
昭彦はもちろん断るのですが、望まずして吸血鬼になってしまった和重の苦悩は深く、彼の半生がいかほどのものだったかと、想像しただけで涎……じゃない、涙が出てきます。
愛する人たちに次々と先立たれた吸血鬼の和重と、天涯孤独な昭彦は、同じ孤独を抱えるもの同士、ひそやかにその心の距離を縮めて行くのですが、和重を吸血鬼に変えた男・将門の登場を機に不穏な空気が漂い始めます。
2人に幸せは訪れるのか。そして、冒頭で和重が墓参りをしていた墓標の名前は……と気になることがモリモリの本作。続きが楽しみすぎます。
それにしても、吸血シーンってなんてエロいんでしょうか……将門に血を吸われる和重の表情はまさにエロスそのもの!仄暗い色気にぜひノックアウトされてください。