命の足あと~遺品整理業社ヒューマンズ~[分冊版] 71話
そんな中、ヒューマンズに入った一件の依頼。転勤が決まった夫婦が、社宅の消臭の必要性を調べてほしいという。
「におい」の原因は犬。ペット不可の社宅のため、痕跡を残したくないのだと。調査に派遣された大月は…。
一方、林の元には不仲な実母からの連絡が入る。
ペットとの関係を通し、共に暮らす存在への思いを描く一編。
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「自分が情けないです」ため息をつき汚部屋に佇む依頼人。 転職して収入も地位も上がったのに、ストレスで心の余裕がなくなり手の付けられないゴミ部屋に。 片付けたいのに片付けられない…そんなジレンマに追いつめられる依頼人への提案は…。 -
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今回の依頼は昭和の古い一軒家、全室分の遺品廃棄。 見積もり依頼で訪れたその家のリビングで目にしたのは、既に生産が終了された4リットルボトルのウイスキー。 それは日本酒党だった依頼人の亡くなった父親が、40年以上前に突然買ってきたものだという。 なぜ封を開けられることなく飾られたままなのか?遺品に込められた想いとは?そしてウイスキーは廃棄されるのか…。 -
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自殺の方法で一番多いのは『○○』。自殺の原因で一番多いのは…。 取り壊し予定の老朽アパートで白骨化死体が発見された。 汚染部分を作業可能な状態にしないと、解体作業が進まないため特掃の依頼が入る。 天井も剥がれ床も腐った室内に充満する異臭。そして遺体の痕跡を辿るとそこにあったのは…。 -
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遺品…それは人が生きた日々の証。そして残された人とのかけがえのないつながり。 人は何を思い、いつ、それを手離す決断をするのか…。 老婦人からの遺品供養の依頼。それは愛する夫と生きた日々への決別なのか?それとも? 家族と故人の絆を温かく見守る…それが『遺品整理業』。 -
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老人ホーム個室の遺品整理の依頼。 そこにあったのは大量の卒業アルバム。 学校という限られた空間の中でのつながりにとどまらず、 人として教え子たちと向き合い続けた故人の人生が、そこに凝縮されていた…。 いずれ消えてしまうものでありながら、誰かの時間にふれあうことの重さを描く感動編。 -
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ごみ屋敷の清掃の依頼。しかしそれは依頼人自身の家ではなく「実家」。 家が荒れ果てたのは、高齢の両親が生活能力を失ってしまったためだった。 介護が必要だとわかっていても、住宅事情等により同居することができないと困惑する依頼人に、林はある提案をする。 遠隔地に住む老親の介護問題に、鋭く切り込みながらも温かく見守る意欲作。 -
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「八重さんに会いに行かない?」かつて親交を深め、現在は施設で暮らす依頼人への面会を林にもちかける森内。 八重は認知症の進行により二人のことが全くわからなくなっていたが、再び穏やかな時を過ごせたことにより、度々面会に足を運び始める。 そんな中、ある品物をきっかけに、八重の古い記憶が蘇り…。幸福なだけではない人生の中で、人を生かしてゆく思い出の存在を描く。 -
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遺品整理の生前予約をしたい。だが整理してもらう家がない!建て替えを理由にアパートの退去を迫られた男性。 健康で経済的にも大きな問題はないが、身寄りのない高齢者が新しく住居を得るには、あまりにも厳しい条件が立ちはだかる。 依頼主の事情を知った大月は、ある提案をする。 高まる「終活」の意識の中、平均的な生活を送ってきた高齢者に起こり得る問題を描き出す。 -
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孤独死した男性の住居への特別清掃に向かった大月と林。しかし、それまで全く音信不通だった弟が遺したとおぼしき 預金通帳の存在に執着し、第三者の入室を拒否する遺族に、大月は先に部屋へ入って捜索してもらうことを提案する。 一方、親交のあった八重の病状について後見人が森内のもとを訪れ…。 自らの生命の終わりに向かうさまざまな姿勢のあり方を描く。 -
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森内と林は後見人より、八重が患っている「進行性核上性麻痺」が治癒することのない難病であることを告げられる。 動揺する二人だったが、八重が穏やかに過ごしてゆけるよう見守ることを決意する。 その頃、姑を亡くした同居の嫁より遺品整理の依頼が入る。 深い確執のあった姑の遺品は見るのも嫌だと全て処分することを希望されたが、遺品の中から指輪が見つかり…。 去り行く者と残される者、その関係が織りなす様々な人間模様。 -
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大月の愛犬の衰え、八重の病状…一見変わりのない平凡な日々のつながりの中でも、確実に時は流れている。 そんな中、ヒューマンズに入った一件の依頼。転勤が決まった夫婦が、社宅の消臭の必要性を調べてほしいという。 「におい」の原因は犬。ペット不可の社宅のため、痕跡を残したくないのだと。調査に派遣された大月は…。 一方、林の元には不仲な実母からの連絡が入る。 ペットとの関係を通し、共に暮らす存在への思いを描く一編。 -
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孤独死した70代の男性の遺品整理に際し、依頼主である故人の妹は立ち合い無しの見積もりを依頼。 しかしそれは遠方在住だけが理由ではないよう。 電話で現場報告をする森内に、依頼主は故人とは40年間疎遠だったことを語り始める。 時を同じくして同僚の関の忌引きがきっかけで、森内は初めて彼女の家庭の事情を知り、家族との縁が薄い林は関に共感を覚え…。 時に遠ざかり、引き寄せ合う血縁の絆の不思議を描く。 -
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ヒューマンズで遺品供養を依頼している寺の住職より、ネットで遺品のお焚き上げを承ってはどうかと持ち掛けられる。 遠方の依頼が可能になる一方、画像とメールのやり取りのみでは見積もり不可能な遺品の存在や、割り切れない依頼人の心情を思い、懸念を抱く森内。 社には遺品整理の依頼が入る。母親の形見だという何点もの高価な和楽器を全てお焚き上げしてほしいとの依頼を受け、 売却を提案する大月に依頼人の女性が語り始めた経緯とは…? -
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亡き母の遺品である琴や三味線をお焚き上げしてほしいと依頼してきた女性。高価と思われるそれらの買い取り査定を拒否し、 廃棄にこだわるには理由があった。母の同門の弟子である友人との軋轢、心無い押し買い業者の仕打ち、 ネットによる査定業者とのトラブル…。依頼人にとっては故人への思いが詰まった形見でも、他人にとっては「物」以外の何ものでもない。そうした認識のズレから起こる悲劇を避けるため、遺品整理業者はどうあるべきか。複雑化する問題にヒューマンズのスタッフは真摯に向き合う -
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弱ってきた愛犬チビの看病を続ける大月。遺品整理の依頼を受け向かったその部屋には、依頼人が子供の頃に父親に 買ってもらい、以来50年、家族の歴史と共にある亀がいた。亀は遺された家族が引き取るとの言葉に安堵する大月。 見積もりの帰路、林の母親が入院したと連絡が入る。看護師から、母親が林の電話番号を携帯していたと聞かされ、 不仲である母に振り回されたくないと憤る林。一方チビの容態が急変し、大月は…。 家族やペット、近しい存在が人生にもたらす充足と喪失を描く。 -
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林は緊急入院した母親を見舞うが、元々のわだかまりもあって口論となってしまう。天涯孤独の森内は家族に縁が薄いがために詐欺に遭った過去を初めて関に告白する。 その時舞い込んできた特掃の依頼。 故人はIT系の仕事をしていたが、ネットを介しての不定期な業務だったために、連絡が取れないことを不審に思われず発見が遅れたという。 社会的に孤立していない人間でも孤独死する現代。 「せめて同居の家族がいれば…」という依頼人の言葉に森内は家族を失った社長を思い…。 最小単位でありながら人間関係の基盤となる“家族”との関わり方を見つめる76話。 -
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森内と林は特別養護老人ホームに入所している八重を見舞う。面会に訪れる度に衰弱してゆく八重に心を痛める2人。 一方、大月は特掃中に単純なミスを犯したことで、看取った愛犬への後悔が心の中にわだかまり続けていることを再確認する。 そんな中、遺品供養が行われ、依頼人たちが遺品を前に故人に思いをはせる姿に、自分たちの大切な存在や別れの経験を重ね合わせる ヒューマンズのスタッフたちだった…。 身近な存在の命の終末を通し、仕事として接する「死」や依頼人の心への距離感の在り方を問いかける77話。 -
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不仲な母親から突然母子手帳が届き、同様する林。家族に縁の薄い森内と関もそれぞれの境遇に思いを巡らせる。 特別清掃の見積もりに訪れた大月は、ひょんなことから依頼主の不動産経営者にヒューマンズに就職したいきさつを話すことになる。 聞き終えた依頼主はお礼と言って、大月に思わぬ贈り物を…。 思いがけない出会いから誰の胸にもある弱さと、それを包み込み後押しをしてくれる存在の温かさを描く78話。 -
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特別清掃に出向いた大月と林を迎えたのは80代の女性。依頼の内容は精神を病んでいた娘が自死した部屋の原状回復。 遺された母親の胸の内に思いをはせながら、自らも自殺未遂の経験がある2人はそれぞれをこの世に引き留める楔を振り返る。 一方、特別養護老人ホームに入所中の八重の病状は目に見えて進行していた…。 -
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容態の急変した八重のもとへ駆けつける森内と林。二人を認識した八重は林の手をさすり、優しく言葉をかけた。 八重がこの世に自分をつなぎとめる楔と言っていた林を気遣う同僚たち。森内は林の母が送った母子手帳を見つけ、 そこに記された言葉に新たな希望を見出し…。
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