名探偵夢水清志郎事件ノート(11)

G県の小さな村・鞠音(まりね)村の伝説を取材することになった教授。夜ふけに「歩く人形」が目撃されるこの村では、明治の天才人形師・栗須寧人(くりす・ねいと)が作った「人形の塔」から会社社長が転落死し、寧人の孫・豪人(ごうと)が人形に斬られるようにして死んでいた。いっぽう文芸部では、部費獲得のためレーチが映画製作を提案。一同、教授の取材に同行して、鞠音村で本格ミステリ映画がクランクイン!夜の撮影で、ついに「歩く人形」に遭遇して--!?

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

「赤い夢へようこそ。」
意味深なセリフと共に、この物語は始まります。

ヒロイン・亜衣の家のお隣にある古い洋館、そこに「名探偵」が引っ越してきた。
ひょろっと背が高く痩せていて、いつでも真っ黒な背広にサングラスをかけている。
非常識で忘れっぽくて、食べ物に関してはとっても意地汚い。
それが「名探偵」夢水清志郎――通称、教授。
名探偵だなんて信じられないくらいのだらしない振る舞いをする教授は、ほんとうに謎解きなんてできるの!?

この作品、小学生の頃に図書館で出会った人も多いのではないでしょうか。
講談社青い鳥文庫の小説『名探偵夢水清志郎シリーズ』を原作とするコミカライズ作品です。
とにかく強烈なキャラクターである「名探偵」の教授と、
亜衣たちとのコミカルなやりとりを描きながら、お話は進んでいきます。
そして事件が起こり、次々と出てくる謎。
普段は頼りない教授ですが、ここぞというところではしっかりと謎解きをしてくれます!
飄々としたセリフ回しで鮮やかに事件の核心をつく、そのギャップは作品の大きな見どころです。
…しかしその後のぐだっとした姿を見ると、それは それで安心してしまうのです。

――さて、そんな「名探偵」を待ち受けるのは、
遊園地で姿を消す子供たち、首が取れる怪人の正体、鬼伝説の残る孤島、からくりだらけの洋館などなど。
ミステリーの定番を押さえた舞台と謎にワクワクしてしまいます。
ミステリーを気軽に楽しみたい方におすすめです。

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