現代柔侠伝(12)

講道館からの帰り道、銭湯で思いっきり女風呂の“のぞき”を楽しむ柳勘一。正義感は強いが、結構な女好きというのが、柔道家・柳勘一のもうひとつの姿なのである。とは言え、恒例の秋季紅白試合をめざして…ということもあり、稽古、稽古の明け暮れという厳しい柔道家生活、あまり無茶苦茶なこともできず、禁欲的な寮生活にも、ジッと我慢のコなのであった。それでも、根は陽気で楽天的で熱血漢の柳勘一。世の中の諸悪には、どうにも我慢のならない性格(たち)のようで、たとえ巨大なヤクザ組織が相手でも、いつも厳然と立ち向かうのであった。そうして、いつもながら気になる吹雪茜との関係は、相変わらず純愛のまま。また、遊子との“オトナの関係”は、ちょっぴりビミョー(!?)で、滝村や陽炎一家との関係は、いたって良好。しかし、鉄心会との関係は、ますます悪化し、早晩、対決するのも避けられない状態に……!?辺見一郎と上川路漁子との関係も含めて、物語は、ますます佳境に入ってきたという感じ……だ。

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