神様のヨスガ

「愛おしいだけの愛なんていらない」とある村の外れの山奥に、"白面様"と呼ばれる神様が住んでいた。白面は、痛みも悲しみも、苦しさも寂しさも、あらゆる負の感情を果実にして捨てる力を持っていた。ある日、一人の幼い人間が白面に拾われる。彼は立派な青年に成長し、いつしか白面に淡い気持ちを抱くようになっていた。しかし、青年は数年前から身体に異変を感じはじめていて――。人間と神様が紡ぐ、新しい愛と恋の物語。【描き下ろしあり】

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

自分の感情を果実にして捨てることができる神様・白面と、そんな神様に拾われた人間・ヨスガのお話。
神様と人間の愛、そして恋が交差する切ない物語で、愛情の示し方や解釈の難しさについて、愛について、改めて考えさせられる良い作品でした…。

人を愛することが使命であるにもかかわらず、過去に人間から拒まれた経験から人間を愛することに苦悩する神様。
ヨスガは人ならざるものが見えることから人々に疎まれていましたが、神様に出会い、共に生きてきました。そして、神様に想いを寄せるようになっていく。
しかし、人間であることが神様との愛の障壁になってしまう。
人でなければ神に愛してもらえない。しかし、人のままでは神とは永遠に一緒にいることはできない。
ヨスガは神様とともにあるためにどのような決断をするのか―――。

ため息が出てしまうほど、美しい物語でした。
神様の容姿や、雰囲気、暮らしている場所の景色、すべてがビューリホー。
マンガ家の皆様は頭の中にある景色をどうにか紙面に描き出そうとするのだとお聞きしたことがあります。安寧先生の頭の中にはどんな美しい景色が広がっているのでしょうか…。

白面様とヨスガと共に過ごし、彼らを見守る八咫烏もとてもいいキャラでした。
本編の続編も是非読みたいですが、ヨスガと出会うまでの前日譚も読みたい…!

ストーリーの広がりを妄想してしまいたくなる、良いマンガでした。
是非お手に取ってみてください!

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