君ノ声 3
取引先との商談に七名を連れ出したことを悔やむ一成の前に、七名の父・諏訪部家当主が現れる。
七名を娶る気なら諏訪部家との縁を切るように告げられた一成は「時間が欲しい」と告げ、七名に自分は「人の心の声が聞こえる」ことを告白する。
「隠し事があるなら話してほしい」という一成の言葉に対し、七名は一成を想い本当のことを告げることができなかった。
それから一成と七名の想いはすれ違い、周りの人々が心配するほどぎこちないものに変わってしまって──!?
七名を娶る気なら諏訪部家との縁を切るように告げられた一成は「時間が欲しい」と告げ、七名に自分は「人の心の声が聞こえる」ことを告白する。
「隠し事があるなら話してほしい」という一成の言葉に対し、七名は一成を想い本当のことを告げることができなかった。
それから一成と七名の想いはすれ違い、周りの人々が心配するほどぎこちないものに変わってしまって──!?
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※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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時は大正。
他人の心の声が聞こえる京極一成は、その能力を活かして商社を経営し敏腕社長と言われています。
しかしその能力のせいで人の裏表を見せつけられること も多く、人を信じることができなくなっていました。
一成は、資産と人脈目当てに大地主の諏訪部家と縁談を結ぼうとするのですが、相手の令嬢は声を出して話すことができませんでした。
しかし一成は、心の声だけ聞いていれば良いのでむしろ楽なのでは!?と考えて縁談を進めようとするのですが、実際に会ったななからは何の音も聞こえてこなかったのです。
戸惑う一成は色々な手段でななの心の声を聞こうとしますが、どうしても彼女の心の声は聞こえません。
心の声が聞こえないと、嘘にも裏切りにも気づけない。そうなると夫婦生活を送るのは難しいと、一旦は婚約破棄をしようと思うのですが、諏訪部家でななが虐げられている姿を目撃し、思わず助け出してしまうのでした。
しかし、ななは話すどころか文字を書くこともできないことが発覚します。
唯一自分の名前は書けたのですが、それは「諏訪部 名無」というあまりにも衝撃的なものでした。
ショックを受けた一成 は、
「粗末に扱われることを許すな 不幸に慣れるな 負けるな」
と声をかけます。
そして、「名無」ではなく「七名」という新しい名前を付けてあげたのです。
勢いではじまった二人の生活ですが、実は七名にも秘密があり…。
ある意味こじらせ男子の一成ですが、性根は優しいのだな…と思える部分が随所に感じられ、その不器用な優しさにきゅんが止まりません!
七名の手を引いて連れ出すシーンなんて、まるで白馬の王子様のようですが、照れて赤くなっているのが可愛くてたまりません…!!
声を出して会話することができず、文字での意思疎通もできず、心の声も聞こえない。八方塞がりでありながら、なんとか七名とコミュニケーションを取ろうとする一成。
優しさ大洪水です。
虐げられてきた女性がスパダリ要素のある男性と出会い幸せになる物語は、昨今人気のジャンルです。
この物語も似た構造ではありますが、コミュニケーションを取れない二人がすれ違いながらもどう距離を詰めていくのかという部分にスポットが当たっており、一味違ったラブストーリーと言えます。
今まで虐げられてきた七名ですが、一成と一緒にいることで少しでも心が癒えて幸せになって欲しい!!と願います。
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