ギャラリーフェイク 17
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雁作専門の画廊、「ギャラリ-フェイク」のオ-ナ-、藤田玲司のもとに、衆議院議員の梶が、モネの「つみわら」の真作を売ってほしいと商談を持ちかけた。フジタは贋作だけではなく、裏では美術品のブラックマ-ケットに通じ、盗品や美術館の横流し品を取り引きしていることを知ってのことだった。その商談の様子を、S美術館の学芸員である酒井が見ていた。酒井はフジタに、芸術のなんたるかをわかっていない梶には、「つみわら」を売ってほしくはないと懇願する。 -
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ある日料亭に呼び出されたフジタは、“日本のドン”と称されるフィクサーの国府双六から、雪舟の雁作を作ってほしいと依頼された。国府が所持している雪舟は実は盗難品で、正式な所有者である在日フランス大使・ブロト-に返さなくてはならない。雪舟を手離したくない国府は、雁作を作り、それをブロト-に返そうというのだ。フジタは、姑息な雁作では厳しい審美眼を持つブロト-を欺けないと、この依頼を断る。 -
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フジタは、家・財産を差し押さえられた会社社長の美術コレクションの鑑定に来ていた。たくさんのコレクションは二束三文のものばかりであったが、国宝級の真作とおぼしき円空の「日光菩薩」があった。しかし、喜び勇んで持ち帰った日光菩薩は、プロの目にも本物に見える巧妙な偽物であった…。 -
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ロシアの天才少年ピアニスト、ミーシャの演奏会に来ていたフジタは、モスクワ音楽アカデミーの教授から、ある絵を探してほしいという依頼を受ける。それは、ムソルグスキー作曲のピアノ組曲、「展覧会の絵」の構想に使われた、ガルトマンの10枚の絵のうちの1枚だった。 -
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事務所の掃除をしていたサラは、高級宝飾店、「ジェイド」の招待状を見つけた。店のオーナーは、一流の宝石泥棒・翡翠(フェイツイ)であった。サラと店にやってきたフジタは、翡翠からある依頼をうける。その依頼とは… -
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大東亜生命の総務部長である北白川は、美術に造詣が深い。かつては、芸術品の買い付けに奔走するほどであったが、現在は窓際に追いやられている。ある日、北白川は、企業の名品展の実行委員長を命じられた。北白川と三田村小夜子は、展示に必要な中国磁器を借りるため、ギャラリーフェイクを訪れる。 -
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アメリカのソフトウエア制作会社“マルチメディア社”会長、キルバート・ベイカーは、末期癌の母親が欲しがっている“窓の絵”を探していた。だが、窓がついたどの絵を見せても、母親は違うと首を振るばかりであった。困り果てたベイカーは、フジタに相談をするが…。 -
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フジタがテレビ局に貸し出した乾山の皿が、破損してしまった。怒ったフジタは、テレビ局に乗り込み、弁償を請求する。そこで、三田村小夜子の妹でタレントのみちるに偶然出会い、みちるが司会をしている番組の鑑定人の代理を急遽務めることになったが… -
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フジタと同じアパートに住む小梅おばさんが倒れ、息子が経営している病院に入院した。この病院は、快適な空間を患者に提供することをモットーに建てられたもので、各部屋ごとにカラーコーディネートがなされていた。小梅おばさんは、一番上等で、紫でコーディネートされている部屋に入院していた。しかし、小梅おばさんは、この部屋にいると気分が悪くなると言いだした。 -
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フジタは事務所に警察に追われているある男をかくまった。その男はイタチの辰蔵(たつぞう)という通り名で、美術品窃盗の常習者。ある日、辰蔵は仕事の依頼を断ったものの、大事な一人娘を誘拐され、仕事をせざるを得なくなった。その仕事とは…。 -
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5年ぶりに祖母の墓参りのために故郷に里帰りをしていたフジタ。彼はそこで、従兄から、公民館で行なわれる「お宝鑑定」の鑑定士を依頼される。町民が持ってきた「お宝」は、どれもガラクタばかり。だが、その中に一つだけ、フジタのお眼鏡にかなった品があった。それは、江戸時代の『蟹の盃』である。フジタはそれを500万で購入した。意外な戦利品に喜ぶフジタであったが、一つだけ気掛かりなことがあった。それは、持ち主に言われた「この蟹を身近に置くものは、なぜか心臓を患う」という言い伝えのことであった。 -
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藤田のもとに、昔パチンコ仲間だった売れっ子モデル、江副ルミが「最近ストーカーに付け狙われている」と泣きついてきた。ストーカーからの手紙を見た藤田は、ある確信を持つ……。(第1話)▼金沢に来た藤田とサラ。旅館で偶然出会った将棋の増田名人は、サラが骨董屋で買った将棋の駒に、過剰な反応を示すのだが……。 -
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ゲームデザイナーのリッキー吉村は、新作の構想を得るためカンボジアへと向かう途中、機内でフジタと知りあう。フジタはプノンペンで美術商のタンから幻の秘宝”東洋のモナリザ”がポル・ポト派支配下のパンチェイ村にあると聞くが、タンは踏み込んできた警察に射殺され、フジタはポル・ポト派に加担した容疑で投獄されてしまう。一方、リッキーはアンコールワットを取材したものの、スランプ脱出の鍵をつかめずにいた。アイデアにつまったリッキーは道中耳にした「幻の密林寺院」の噂を信じ込み、ポル・ポト派の支配地域に乗り込むことを決意。彼はふと手にした新聞でフジタが拘束されていることを知り、裏の世界に通じているフジタに案内を頼むことを思い付く。リッキーの立て替えた保釈金によってフジタは無事釈放されるが、ポル・ポト派に顔が利くタンは殺されており、パンチェイ村に行く手立てがない。二人が途方に暮れていると、話を立ち聞きしていたストリートチルドレンのコンポンがガイド役を申し出た。それぞれの思惑を胸に、パンチェイ村への旅が始まる… -
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甲冑を探して出張中のフジタに代わり、ギャラリーの留守をあずかることになったサラ。彼女はホテルのカフェで知り合ったアートディーラー・堀部に珍しいカブトの話を持ちかけられる。サラは乗り気ではなかったが、堀部がギャラリーに持参したカブトを見てすっかり気に入ってしまった。だが、フジタと連絡がとれないため、偽物かもしれないそのカブトを買う決心がつかない。考えあぐねた彼女は、ギャラリーによく視察に来る国宝Gメン・知念に鑑定を依頼するが… -
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アンデルセンの有名な童話に因む、コペンハーゲンの人魚姫のブロンズ像。この像はこれまで2度、何者かによって首を切断されており、オリジナルの首は失われている。この人魚姫の受難を追いかける男がいた。彼はカリフォルニアのある彫刻家のアトリエを訪れた後、東京のギャラリーフェイクに現れる。ところが、店主のフジタはフローラダニカを探して出張中だった。男はフジタを追い、デンマークへと戻るが…… -
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時は2021年、スペース・シャトルによる宇宙旅行が始まっていた。フライト間近になって、NASA予約センターのミスで乗客の身体的データが消去され、日本人乗客30人のチケットが発券されない事態が起こる。1人1万ドル、予約は5年先までいっぱい。そんな宇宙旅行がキャンセルになれば、旅行会社は危機に立たされるのは明らか。そんなとき、ミカド・ツーリスト社長三角淳平は、1998年、自分の人生を変えた一日のことを思い出していた……大学4年生の三角は、就職活動の真っ最中。だが、思いを寄せる彼女のひとことで、フランス・ワールドカップ観戦に出かけることになる。だが、現地・トゥールーズに到着してみると、観戦チケットがない!途方に暮れる友人たちを見て、三角は移動中のバスで出会ったフジタという怪しげな男に連絡をとるが… -
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『ギャラリーフェイク』に、安藤広重の浮世絵を展示しようとするものの、何か趣向を凝らしたいと考えるフジタ。しかし、いいアイデアが浮かばない。そんなとき、ある男からスイスの高級時計メーカー・ブラパンの“1735”の問い合わせの電話が入った。フジタはその電話で、月光の描写が美しい安藤広重の浮世絵とムーンフェイズ付腕時計の“1735”を一緒に展示することを思いつく。そして、展示から数日後、『ギャラリーフェイク』に“1735”を購入したいという男がやって来る。しかし、その男は…… -
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高田美術館に高田グループ会長の3男・高田健介が、理事長としてやってくる。だが健介は仕事に興味はなく、一日中遊びほうけてばかり。そんななか館長の小夜子は疲労でダウン。館長代理としてやってきた藤田が、美術館を仕切ることに…… -
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昔なじみの質店をクローゼット代わりに使っているフジタは、季節の変わり目に、いつものごとく“着替え”にやってきた。しかし店主は「店を閉めるので、もう預かれなくなってしまって…」と告げる。息子に後をまかせ、リサイクルショップとして再出発するというのだ。その新しい店に行ってみたフジタは、息子の強引な経営方針に不安を抱く。そんな折り、開店直前の店の品が全て信用していた店員に持ち逃げされた… -
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1999年の大晦日。フジタはいつもの年と同じように、四国にある安閑寺というさびれた寺で新年を迎えようとしていた。その寺でフジタは、毎年元旦から遍路を始める難波という老人に加え、今年は青島という青年とも一緒になる。この青島は、コンピュータやパソコンという言葉を聞いただけで、途端に気分が悪くなる妙な男。実は彼は、東京の医療機器メーカーの営業マンで、2000年問題を前に心身ともクタクタになり、会社から逃げてきたのだった。そんな青島に難波は「すぐに東京へ帰れ」と諭す。その理由は…?
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