あずみ 10
貢喬介、松井凛太郎を斬ったことで、悲しみ、苦しんでいたあずみの前に井上勘兵衛が現れる。勘兵衛は自分の主・加藤清正を殺した彼女に勝負を求める。斬りたくないと思いながらも、彼の意志の強さを感じたあずみは勝負の末、彼を斬る。その頃、柳生宗矩はあずみに対してさらなる刺客を送っていた。
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柳生宗矩一派の手から爺を救い出すことに成功したあずみ。なんとか危機を脱した二人は、武蔵国・川越にある喜多院を目指していた。この喜多院という寺は、徳川家康のブレーンである天海が住職を務めたこともある名刹。しかも、この寺のある川越からは爺の故郷も近く、柳生宗矩一派から命を狙われているあずみと爺が身を隠すには絶好の場所なのだ。その喜多院へと向かう道すがら、爺はあずみに「二人で静かに暮らしてゆこう…」と語る。あずみは、爺の言葉に違和感を感じつつも、これからの暮らしに期待を抱いていた。そんな爺とあずみが、ある橋を渡っているところに突然、柳生宗矩一派の追手が現われる。その瞬間、爺はあずみに「おまえはどこまでも生きて生き抜け!!」と言うや川に投げ込むのだった!!…… -
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あずみを刺客として育てた爺が殺された。それも徳川方が放った剣客の手によって……今まで、徳川のために数々の危険を冒して多くの敵(豊臣方)を倒してきた自分達の命を、なぜ徳川方が狙うのか?実は、爺を亡きものにした刺客の背後には、徳川家内部の権力闘争が隠されていた。しかし、あずみはそんなことは知る由もない。爺や、今まで死んでいった仲間のことを考えると、あずみの気持ちは千千に乱れる。そんなあずみが身分を隠して世話になっていたのが小野忠明の道場。この徳川方の道場には、旧・豊臣方の家臣で秘かに家康暗殺の機会をうかがっていた井上勘兵衛も働いていた。偽名を使い、やけどで風貌も別人のようになっていた勘兵衛であったが、偶然、ここを訪れた本多正純によって、その正体を見破られてしまう。正純は、大坂夏の陣で火だるまになりながら家康の本陣に切り込んできた勘兵衛を忘れてはいなかったのだ。結局、この勘兵衛と共にあずみも小野道場を去ることになる。そして、傷付いてなお、家康を討とうとして決して諦めない勘兵衛。その凄まじい執念を目のあたりにしたあずみは、勘兵衛の代わりに家康を討つことを決意する。そのあずみを待ち受けていた運命は……
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