言葉の獣 (2)

言葉を〈獣〉の姿で見ることができる東雲と、詩に強い関心を持つ薬研。
「この世で一番美しい言葉の獣」を求め、二人は〈言葉の生息地〉を探索する。

〈生息地〉で出会う様々な〈獣〉たち。
対話によって心のうちに見えてきたのは、記憶と記録にまつわる、二つの違った考えだった――。
「私は忘れられたくない。みんなに」
「なぜみんな記憶に固執するんだろう」

記憶とは。記録とは。
二人の思索は森の奥へと続いていく。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

あなたの「生きる」は、どんな姿をしていますか。

人間が、何万年も前から意思疎通の手段として使ってきた「言葉」。人類の進化とともに発展したそれは、時に人を救い、時に追い詰める、大きな力を持っています。この作品は、「言葉を獣として目で見られる」という共感覚持ちの少女・東雲と、詩が好きな同級生・やっけんが、一番美しい「言葉の獣」を見つけようとする物語です。
東雲の見る「言葉の獣」は、現実世界の獣と少し違います。ウサギに見えるけれど耳が2つじゃなかったり、獣なのに毛が生えていなかったり、同じ言葉でも発した人で姿が違ったり。不思議な獣たちと出会い、交わりながら言葉について考える二人を見ていると、「自分の言った言葉はどんな姿をしているのだろう」とつい空想してしまいます。
物語を楽しむと同時に、言葉の力や性質を考えるきっかけになる一冊です。

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