鰯の鱗~父と兄と妹の「関係」~

鰯の鱗 第三章「ここはいつもの通学路」(3)

「おまえもたまにはホンモノをここに挿れたいだろ」「あの清楚なサナ先生が ほんの三十分前までは 俺の上で激しく動いて喘いでいたことを…」大学生の家庭教師サナと、教え子の高校生・晴一の恋。授業のたびに密室で繰り広げられる濃密な愛の行為。それは一見、夢いっぱいの幸福なカップルの誕生であるかと思われた。少なくとも晴一はそう思っていた。しかし、彼女は晴一の父親に激しい調教を受けていて…。一方、そんな晴一を想う「幼なじみ」の美月。晴一からも「妹のように」可愛がられる。しかし二人には、お互い口には出せないものの、ある確信があった。ギリギリのところで成り立っていた世界が、あるきっかけで一挙に崩壊する。欲望と関係が交差する、河合二葉先生の長編ロマン。「あの日、輪郭が溶け合うくらいに混ざり合ったから、晴一とはもう兄妹にも恋人にもなれないんだ……」

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