凍る灼熱

その瞬間、絡みつく視線が俺を締め上げた。不遜な視線のその男は大会社ミムロマテリアルの御曹司・御室由考。倒産寸前の父の会社へ融資を依頼した俺に、彼は信じられない条件を出してくる。融資の対価は、俺自身。躯も意思も、俺のすべてを売り渡せと--。低く響く声で「お前は俺のものだ」と言い放つ由考は、俺をなぶりものにしたいだけだと解っていた。なのにいつしかその言葉が、俺の耳に甘く流れ込むようになり…。違う。この想いは--錯覚だ。

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