柳実冬貴 / SYNAPSE HEART
巻0~210 pt
「お前、私の家族になってくれないか?」
最弱の魔族だったアーカイブは、死ぬ寸前だったところを魔王に拾われる。
子を産むことができず、近づけば他者を傷つけてしまう魔王にとっての唯一の「家族」となったアーカイブは、幸せな日々を送っていた。しかし、魔族は人を。人は魔族を憎み、お互いの平穏のため戦争をしていた。
魔王と討伐するために八英雄たちが和平を餌に魔王を呼び出す。アーカイブの目の前で罠によって弱体化させられた魔王は辱めを受ける。助けるために出ていくがアーカイブは最弱な種族……成す術もなく首を跳ねられ、魔王も八つ裂きにして封印してしまう。
自分に魔王を守る力があれば、意識がだんだん遠のいていく中最期の力を振り絞りアーカイブは、八英雄の一人であるリーゼロッテにとある魔法をかける。
【胎児の魂を食い殺し、存在を乗っ取るための禁断魔法――托卵(たくらん)】
この魔法により、アーカイブはすでに妊娠中だったリーゼロッテの胎児を乗っ取ることに成功する。
最弱の魔族から英雄の子へと生まれ変わったアーカイブは、突然変異で発現した『魔眼』を持っていた。石化、魅了、恐怖、透視、千里眼――。あらゆる種類を使いこなすことができる最強の魔眼を手に入れたアーカイブは、英雄達に復讐することを誓う。
たとえ復讐相手が、腹を痛めて産んでくれた自分の母親や未熟な自分を愛してくれた恋人であろうとも――
「待っていろ英雄共――俺は貴様らを殺し、必ず魔王様を取り戻す!」