バラされたくなかったら脱げよ。
留年中の年上同級生・小根森がひそかに気になる駒野。「別に本気の恋じゃない」と思っていたのに中学か...
―自己紹介をお願いします。
どうも初めまして。認知度に比例せず芸歴だけは20年超えのBL漫画描きでございます。
―BLとの出会いを教えてください!
BLという括りをどこまで広げていいのかわからないのですが、記憶にあるところで言いますと「パタリロ!」のバンコランとマライヒの絡みを目にした時だと思います。
―デビューした時と今、自分の中で「変わったな」と思うところと「変わらないな」と思うところはなんですか?
デビューした時は「漫画家」になりたかっただけで何かを描きたい、表現したいという欲求はなかったのですが、ここにきて自分が読みたい漫画を描きたいという気持ちが強くなってきました。「漫画」が好きなことは昔も今も全然変わらないです。
―BLを書く上で楽しいと感じることを教えてください。
本来ならそれ以上には発展しない友達という関係から恋愛感情が芽生えるキュンを描けた時は楽しいです。ちゃんと描けたら、ですけど。
―Hシーンを書いていて困ることはありますか?
構図と…淫靡な空気感を出せないことが毎度課題です。求む、やらしさ。
―キャラクターやお話はどんなときに思いつきますか?
漫画に限らず小説・ドラマ・映画などで面白い作品に触れるとふと降りてくるというか思いつきます。
面白い創作物に触れると頭のどこかが刺激されてインスピレーションが湧くんでしょうね。
―BLに限らず、影響を受けた作品はありますか?
確実に影響を受けた作家さんはいます。お名前は控えますがデビューしてからその先生の作品は読んでないです。細胞レベルで無意識に影響を受けると思うので(笑)。
―漫画を描くうえで一番好きな作業は何ですか?
仕上げ作業が好きなのですが時間が無くていつも満足にできません。
―今一番ハマっている人・ものに関して教えてください。
結構な長さで「水曜どうでしょう」さんと、水どうの流れでもちろんNACSさんにも。最近になってハマったのはヒュー・ジャックマンです。映画『The Greatest Showman』 を10回観に行きました。
―先生の書かれた作品のご紹介とアピールポイントをお願いします!
『その目で語れ』
タイトル通り視線で語ろうとして気持ちを言葉にしないむっつりキャラ(攻)のお話です。一歩間違えばストーカー、けれど相手の事は一途に好き、やり方間違ってますけど…という不器用な攻めキャラがツボな私の趣味丸出し作品です。
『PINKリビング』&『ケモミミPINKリビング<電子限定>』
地方出身の自分の得意分野で攻めてみるかと意気込んだものの方言の鼻濁音を文字で表現するのは難しいと悟った作品。本編の2人を猫化させた「ケモミミ~」は何故かしっくりきて描いてて楽しかった記憶があります。
『腐男子物語』
タイトルから思いついてショートギャグの予定でネタを出してみたらカラー付の前後編漫画にまで発展し、しかし思いついた最初が最初なだけにテンションだけで描き切った作品。
『アオイコイ』
タイトル通り若さゆえの「青い」話が描きたかった。せっかく野球部を出したんだからそういう泥くさいネタを盛りこめばよかったと少々後悔しております。
『ねこねこハニー』&『ねこねこダーリン』
「猫」が描きたくて描きたくてネタはずっとあたためていてやっと世に出せた作品です。いまだにこのシリーズを続けられてて本当にありがたいと思っています。
『僕の愛を知れ!』
ホストの世界です。とはいえ世界観はいつもの私の漫画のまま変わらずです。
『誘惑レシピ』
私の代表作でございます。チーズ屋さんでの3組のカップルのお話です。楢崎らしい漫画といえばこちらを読んでいただければご理解いただけると思います。
『欲望センシビリティー』
こんな攻描けたのか?と自分が思うほどに(私にしては)大人な正統派攻を描いています。漫画の舞台のコールセンターは私の元バイト先です。
『渇愛モンスター』『渇愛モンスター ~ハングリー~』
『誘惑レシピ』とは真逆の楢崎らしい漫画です。「人食い」という趣味丸出し設定にプラスしてエロを目指したのですが…人には得手不得手があるのでした。
『GREEN LOVE ~楢崎壮太短編集~』
BLを描き始めた頃の短編集です。この頃は読み切りの短編ばかり描かねばならなかったのでキャラ設定だけは趣味に走りまくってました。学ラン、主要キャラのモデルが実在する人物、オネエ攻め…バラバラすぎてすみません。
『ねこねこベイビー』
猫谷家長男のお話。『ねこねこダーリン』の頃からお兄ちゃんの株が少しずつ上がってはいたのですがこの本でただの振られキャラから一途キャラへと再認識いただけたようで爆上がりでした。お相手の杏ちゃんを綺麗キャラとして描くのがなかなか難しかったです。
―新刊『ねこねこケイヤク』の見所を教えてください!
なんと主役が猫谷家以外。作者の私もびっくりしました。経緯は紙版のコミックスの本体表紙に描いてるんですけど。しかも今までとは打って変わって一話から不穏モード炸裂しております。猫谷家の紗以と亜以も出てきてねこねこシリーズとして継続しておりますのでぜひご覧いただきたいです。
―ねこねこシリーズでお気に入りのキャラ、またお気に入りのエピソードを教えてください。
今回の「ケイヤク」の新キャラ、小根森さんです。自分でもさん付け呼びするくらい自分がハマるキャラを生み出してしまいました。エピソードというより小根森さんの程よい筋肉のついた体が大のお気に入りです。
―今後の目標、野望を教えてください。
細く長~く漫画家を続けて今描いているキャラ達のお話はできるだけ描ききりたいです。あと、できれば漫画以外のお仕事も何かしてみたいですね。小説の挿絵とかもしたことないので。
―好きな攻タイプと好きな受タイプはなんでしょうか?
主導権を握ってそうで実は受に振り回されてる攻(むっつりならなお良)と振り回してることに全く気づいてない天然受。
―これから挑戦してみたい設定やシチュエーション等を教えてください。
いつか時代劇BLを…!
―原稿を書く日のタイムテーブルを教えてください。
朝7:30~9時には起きて朝ごはんを食べたりボーっと準備をして10時半前後に作業開始。けれど午前中は筆が乗らず12時前後に昼ご飯。作業開始するが満腹ですぐ昼寝。30分~1時間(アシさんが居る時は15分)寝てようやく本格始動。19~20時頃に夕飯休憩を入れてボーっとして夜に少し原稿をやって就寝。
〆切前日だけはバタバタして睡眠や休憩もあまり取れず(合間合間で寝ますけど)次の日の〆切時間まで一気に仕上げる…という感じです。
―熱心な読者の方へメッセージをお願いします!
電子書籍もいまやメジャーな媒体となりたくさんの魅力的な作品が溢れております。そんな中で私の作品を選んで読んでくださる皆様には本当に感謝しかございません。気づけば20年、趣味ではなくお仕事で漫画を描いてこれました。好きなことが仕事にできている…ありがたいことです。まだまだ漫画を描き続けていけるよう精進を重ねてまいりますので末長くよろしくお願いいたします。
(2019年1月回答)