僕たちは運命に嫌われている【コミックス版】

高校2年の八尾のバースはβだった。
しかしある日、同じ陸上部のライバルでαの九條と一緒にいる時に突然、
発情期を起こしてしまう。突然変異のΩとしての人生が始まった八尾は、
不安定なヒートを九條とセックスをしてやり過ごしていた。
Ωになっても変わらない態度で接する九條に惹かれる八尾。
しかし八尾が好きになった人には、運命の相手がいた――。
バースに弄ばれる高校生たちの純愛ストーリー。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

高校2年の夏、ベータからオメガに変異した八尾。突然起きたヒートから八尾を救ってくれたのは、陸上部のライバルでアルファの九條でした。そして、後天性オメガゆえの強い発情を抑えるため、2人は度々体を重ねるセフレの関係に。ライバル同士から徐々に甘い関係に変わっていく八尾と九條でしたが、九條の「運命の番」が現れて……。

これまでのオメガバース作品では「運命の番と結ばれるまで」が描かれることが多かったのに対し、本作は「運命に背を向けて、心が愛した人と結ばれるまで」の物語です。しかも、アルファが「運命」に逆らうと、最悪死に至るという過酷な設定。運命に抗おうとする九條の切実な思いは美しいですが、それゆえに八尾は「自分のせいで九條が死ぬかもしれない」と苦しみ、九條を突き放すような行動に駆り立てられます。互いを思う気持ちが強いほどに傷つけ合ってしまう――過酷な試練に胸が痛みますが、試練が過酷であればあるほど、それを乗り越えたときの光が大きいもの。救いに溢れたクライマックスに、涙腺が死にそうになりますが、降り注ぐ幸せの光を全身で感じてください!

人生山あり谷ありに萌える光の腐女子に全力で推したい KINACO先生。デビューコミックの『雨宮先生はまだ恋を知らない』(エンターブレイン)も幸せホルモンで脳をびしゃびしゃにしてくれる作品です。ちょっと強引だけど健気なわんこ系男子学生に、「サイボーグ」とあだ名される美人なツンデレ教師がほだされていく様子を菩薩の微笑みで見守りましょう。

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