笑う鬼には福きたる

父親が亡くなって一週間。

怒谷 笑を訪ねてきたのは、父親が遺した

500万円の借金の取り立てだった。

家は貧しく、笑うのが苦手で、人づきあいが苦手で、

誤解されてばかりのツイてない人生を送ってきた笑。

そんな笑に貯金なんてあるはずもなく、

ゲイ専門の秘密クラブに売られそうになったとき、

高校時代のクラスメイト・福冨稔持が現れ、

「俺が怒谷を買う!」と言い始めて!?


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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

BL界において、「薄幸=かわいい」という定理を作ったのは山本小鉄子先生ではないかと思っているのですが、いかがでしょうか?
本作も、三白眼で無愛想な苦労人・笑(えむ)くんがかわいくて、かわいくて……。貧乏暮らしが長いだけにたくましさもあるのですが、いつも空腹の野良猫のように張り詰めている姿が、全人類の庇護欲をそそります。彼が親の残した借金を返すべく奮闘する物語なのですが、正直、クラファンしたら一瞬で500万円集まるのでは? と思うくらいのかわいさです。

そんな薄幸健気な受けの隣に似合うのが、ちょっと天然だけど正義感の強い男前攻め・福冨。
福冨のいかにも育ちの良さそうなお人好しぶりに、最初は毛を逆立てていた笑が、初めて他人に心を開き、福冨の祖父をはじめとした周囲の人たちとも交流を深めていく――エロが少なめなこともあり、守護霊のような清らかな気持ちで、この初々しいカップルを応援したくなります。

福冨がドヤ顔で出してきた手料理が飲み込めないほど不味い、朝食のジャム食パンを見た笑がよだれを垂らして静かに興奮する、など日常描写にも萌え要素がくまなく敷き詰められているのは、さすがの山 本先生です。

全体的にエロはかなり控えめですが、1つだけお伝えしておきたいことがあります。
笑の乳首は、本当にエロいです(ドン!)

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