バーナム効果であるあるがある
川原泉6年ぶりの新刊コミックス!彰英高校バレー部の真世と事務長の鷹彦、そして謎の火星人・ルルーニュの不思議な交流を描いた「バーナム効果であるあるがある」、そして弓道部に入部した新入生・凜さんを描く「これから私は武士になる」の2編を収録。
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川原泉6年ぶりの新刊コミックス!彰英高校バレー部の真世と事務長の鷹彦、そして謎の火星人・ルルーニュの不思議な交流を描いた「バーナム効果であるあるがある」、そして弓道部に入部した新入生・凜さんを描く「これから私は武士になる」の2編を収録。
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少女漫画界の哲学家・カーラ教授こと川原泉の最新作!
ある夜、女子寮の裏で火星人(と自称する2.5頭身の生き物!)と学校の事務長・鷹彦(たかひこ)が会話をしている現場に遭遇してしまった女子バレー部員の真世(まよ)。
バーナム効果とは、「誰にでも該当するよーな曖昧で一般的な性格を表す事柄を、自分だけに当てはまる正確なものだと捉えてしまう心理学上の面白現象」のこと(本編24Pより)。
「火星人を見た」なんて、ただのバーナム効果!気のせいだ!……とはいかなかった。寮で見かけた火星人は実在していて、どんなものでも金や銀やダイヤモンドに変えられる化学元素変換器やら、瞬間移動できる転送システムやら未来の道具で人間たちを翻弄する。
しかし、本作の面白いところは、そんな未来の道具を持っているにも関わらず、このおっとりした火星人のやっていることが、夜の音楽室でピアノを弾いたり、生物室の骸骨と踊りつつ歌ったり、という驚くほどの小スケールという点だ。
そのせいか火星人と交流する鷹彦と真世には何の緊張感もない。火星人を間に挟んで全然関係のないことでケンカを始めては、火星人に仲裁をさせる始末。
川 原泉作品に出てくる登場人物たちは高頻度で不思議な体験や現象に見舞われるが、それらの謎よりも詳細に描かれるのは、ごくありふれた日常の中で生きる人の心の機微である。
未知の生物にアレコレ考えを巡らせるよりも、目の前の人間と血の通ったコミュニケーションをとることの方が複雑に頭を使うしエネルギーも消耗する。
『バーナム効果であるあるがある』は、そんな「ごくありふれた日常」で生きる人々に対するカーラ教授の変わらない眼差しが感じられ、気持ちが温かくなる。
また、既刊の「〇〇がある」シリーズの登場人物も多数出演しているので、過去作品を読んだことのある人はよりニヤリとできる演出も!
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