黄金の旋律 5
いまを時めく“天使のピアニスト”寒河江蓮太郎は、高岡麻衣のかつての恋人・神崎奏だった。奏は、頭を打った拍子に、失っていた数年間の記憶を取り戻したのだ。その時、かつて奏を溺愛し、束縛もしていた母・しのぶは、高岡麻衣と伯父・小澤一馬が関わった事件で人知れず亡き者となっていた。一部始終を奏に告白しようとする麻衣。一方の一馬は、蓮太郎のパトロン・寒河江ゆり子が一連の真相を掴んだのではないかと恐れ、ゆり子を事故に見せかけて殺害した。それを知った奏は、一馬に絶望という名の復讐を誓うのだった。
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ピアニストの才能を有した神崎奏が病院から抜け出し、行方不明になって数年が過ぎていた。奏の恋人だった高岡麻衣は、音楽に触れると演奏者の感情やオーラなどが視える能力で、悪魔的なものを感じさせるピアニストのダンこと入江弾と出会い、公私をともにしていた。そして麻衣の伯父で著名なピアニストだった小澤一馬は、奏の母・しのぶを巡る出来事がきっかけで右手を負傷。ピアニストを辞め、ダンのプロデューサーとなっていた。 ある日、麻衣は街のピアノバーから、かつての奏と同じオーラをまとったピアノの音色を聴きつけ、その店へ走る。そこには奏に瓜二つの蓮太郎と呼ばれる青年がいた。
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