ダイヤのA(44)
秋大決勝戦は緊迫の中盤へ。四回裏、同点に追いつかれた青道(せいどう)は、先発の川上(かわかみ)に代わり、沢村(さわむら)をマウンドに送る! 勝負は沢村と雷市(らいち)、一年生同士の投げ合いに!! 苦手とする薬師(やくし)打線に、成長著しい沢村が真っ向から挑む!!
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試合に出ること。
それを当たり前のことのように描いているスポーツマンガは、やはりフィクションだと感じてしまう。
『ダイヤのA』は野球エリートを集めた強豪校を舞台にした高校野球マンガである。甲子園に出ることはとても難しいことだが、甲子園を目指すチームで試合に出ることは、同じくらいに難しいことだ。甲子園のアルプススタンドで声を張る3年生が美しいのは、彼らの中にはチームの誰よりも練習をして、それでもベンチの18人に入れなかった男がいるからである。
試合に出られない悔しさが高校球児を大人にするし、レギュラーを奪うための努力が青年を男にする。そんなことを、このマンガは教えてくれる。そして「そこ」を描くことが、プロ野球ではなく高校野球を描く意味なのだと、私は思う。(書店員・アンコウ)