海辺のエトランゼ

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「男が好きでもおかしくないよ」 好きになった相手と抱き合えたら。そんなこと絶対叶わないと思ってた────。 2人は沖縄の離島の海辺で出会った。小説家の卵でゲイの橋本駿(はしもとしゅん)は、物憂げに過ごす高校生・知花実央(ちばなみお)が気になりナンパめいた声をかける。日に日に距離を縮めた2人だったが、実央は島を離れることに。そして3年後、島に戻ってきた実央は「3年考えた。男でも駿が好き」と駿に迫る。しかし駿はいざ実央と恋人同士に、となると1歩を踏み出せなくて──。 年下フリーターとゲイ小説家のじれったいほど切ない恋。 心が、洗われるようなボーイズラブ。

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メディア化情報

  • 映画化

    「海辺のエトランゼ」

    2020年9月11日公開
    出演:村田太志、松岡禎丞

スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

すさんだ気持ちになると「かわいくて優しい物語が読みてぇ…」という気分になるときがあります。
そんなときのストックとして、『海辺のエトランゼ』は最高の作品です。

沖縄の離島を舞台に、小説家の卵でゲイの駿と両親を亡くした高校生の実央が出会い、
ふたりの恋が実るまでのお話。

どうやら駿は訳アリで、過去に同性愛者ということが原因で負った心の傷がある様子。
実央が駿に好きだと伝えても、素直に喜ぶことができない。
実央はもともとノンケだし、駿としては相手のことを考えるからこそ気持ちを受け止めきれないことはわかるんです…。
でもようやく一緒にいることができるのに!
素直になれ!!と思わずにいられません。
優しいウソならいらないってM●SIAも言ってたじゃん!!

このふたりにも本当に焦らされました。
でも作中の雰囲気や、離島の緩やかな時間の流れのおかげかあまり嫌な感じがしません。
なんてことはない、ふとしたシーンが強く印象に残る不思議な体験をしました。
同じアングルから同じ人物を描写したコマが並ぶシーンでも、髪や服が同じように描かれていることはありません。
ここ に風を感じるんですね!!
空気感を閉じ込めたような丁寧な作画。
元アニメーターの紀伊カンナ先生の魅力です。ばっちり虜になってしまいました。

続編の『春風のエトランゼ』、画集の『queue -Kanna Kii artbook-』も併せてお楽しみいただきたい一冊です。

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