拝啓、兄さん様
豊は、歳の離れた兄・稔が大好きだ。しかし、稔は高校卒業とともに家を離れたままで、豊たち兄弟の間は、ずっと続いている手紙のやり取りが繋いでいる。ある日届いた手紙には、八年ぶりに見る稔の写真が同封されていた。そして、その夜、稔が家に戻ってきた。稔と過ごす久しぶりの夏。やがて稔への想いが「兄」に対する以上の意味を持ちはじめたことに気づいた豊は……。
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8年間手紙だけでやりとりをしていた兄・稔が実家に戻ってくる。兄が好きでたまらない豊は、嬉しさとともに戸惑いも感じます。『帰ってきたからといって、ずっと一緒にいられるわけじゃない』。その言葉は豊の心にずしりと響きます。このままではいけないと「兄離れ」しようとする豊。溢れ出しそうな思いを懸命にしまい込もうとする豊のいじらしさに、胸が締め付けられます。
兄・稔も弟のことを大切に大切に思っているのですが、だからこそ余計に「兄」の立場を崩さずにいようとします。
互いを深く想い合っているからこそ、その先の一歩を踏み出すことができない。血の繋がった兄弟ならではの葛藤が丁寧に描かれているので、兄弟好きさんにはぜひ読んでいただきたいです…!
エロ度は低いものの、ちょっとした触れ合いがとっても色っぽい!特に、りんご飴のシーンは激萌え間違いなしです。