ぷらせぼくらぶ 1
「箱があったらその中で眠ってしまいたい。そしてそのままそれを宇宙の片隅の誰も知らない場所にとばしてほしい」―――
へちゃむくれでネガティブでナイーブな中学生の女の子・岡ちゃんほか、
「平凡だけど、ほんのちょっとだけ特別でありたい。でもやっぱり特別なんかにはなれない」、そんな多感な中学生達を独特のタッチで描き出した連作短編集。
へちゃむくれでネガティブでナイーブな中学生の女の子・岡ちゃんほか、
「平凡だけど、ほんのちょっとだけ特別でありたい。でもやっぱり特別なんかにはなれない」、そんな多感な中学生達を独特のタッチで描き出した連作短編集。
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スタッフおすすめレビュー
※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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地味で多感で自意識が高くてへちゃむくれで鈍くさい、ごく普通の女子中学生「岡ちゃん」と、同級生の「田山」、そして二人を取り巻く周囲の少年・少女たちの物語。教室という狭いセカイで、彼女らはほんの些細なことで傷ついたり人を傷つけたりして大人になろうとしていきます。ぱっとしない男の子に恋をしても「趣味が悪い」と思われるのが怖くて友達に内緒にしたり、個性的になりたくて教室のカーテンの裏に隠れてみたり…。
私が最も好きな作品は「窓辺のゆうれい」。中学時代に仲の良かった二人が、ケンカ別れ後、15年ぶりに再会します。大人になった彼女たちは、過去の苦い記憶も吹き飛ばして、当時の夜の教室という幻想で仲直りをするのです。
制服が着られなくても、学校へ行くことがなくなっても、私たちは誰でも心の中に「教室」を持っているはず。記憶の教室ではなく、心象風景としての教室を。