薄花少女
ぼっちゃまのため、ばあやは少女になりました。一人暮らしの古糸史(こいとふみ)の家に、ひとりの少女がやってきた。二十代も半ばの彼にむかって、ぼっちゃまと呼びかけるその少女。自らを史の実家で家政婦をしているハッカばあやだと名乗るが、ハッカばあやこと夏焼鳩子は、御年数えで八十歳。目の前の少女は、せいぜい小学二、三年生。どうみても、ばあやのはずはないのだが。若返ったおかげでぼっちゃまのお世話ができると、本人はいたって気楽な様子。
少女で老女、老女で少女のハッカとぼっちゃま。どちらにせよ年の差な、ふたりの共同生活が始まります。
少女で老女、老女で少女のハッカとぼっちゃま。どちらにせよ年の差な、ふたりの共同生活が始まります。
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見た目はかわいらしいおんなの子のハッカ。しかし、中身は御年数えで八十歳のハッカばあや。ひとり暮らしのぼっちゃまをお世話するため、不思議な薬で体だけ少女になったという。 少女と青年、老女と青年、どちらにせよ年の差共同生活は今日もにぎやかです。 ハッカの故郷から送られてきたすだちで、晩ご飯はすだち尽くし。すだちシャンプーとすだち石鹸、香りはいかが?……「ハッカとすだちと」 塾の先生をしているぼっちゃまの姿をみて、立派に成長したことを喜ぶハッカ。しかし、その晩、ぼっちゃまを叱りつけることになり……「叱られて」 ぼっちゃまの生徒が家にやってきた。同居しているハッカと出会い……「雪の降る前」 “いみがわかりませんわ”そう言いながら鏡の前でファッションショーを……「春の足許」 夏の夜の庭にただよう蛍のように淡い存在……「なつやみ」 ハッカが見つけた一枚の写真。写っているのは妙齢の女性。ぼっちゃまついにご結婚?……「雨上がりに」 一話読み切り形式、全6話を収録。 -
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見た目はかわいらしいおんなの子のハッカ。 しかし、中身は御年数えで八十歳の“ハッカばあや”。 ひとり暮らしのぼっちゃまのお世話をするため、不思議な薬で体だけ少女になりました。 少女(ばあや)と青年(ぼっちゃま)、ふたりの年の差の同居生活は、のんびりと時を重ねます。 お正月に年賀状。ヤキモチをやかないで…「はじまりの日に」 節分の豆まきで心の鬼を払いましょう…「おにはそと」 ホワイトデーには、ぼっちゃまからのお返しを…「プレゼント」 間違って梅酒を飲んだら酔っ払い?…「梅雨酔い」 ぼっちゃまのお世話はハッカにお任せください…「いつもどおり」 夏と花火と夜の夢。夏風邪は遠い日の思い出と…「夏宿」 お正月から真夏の夜まで、全6編を収録。
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