アロエッテの歌
時は19世紀フランス。とある横丁の旅館にあずけられたコゼート。母は振り返り、必ず迎えに来ると誓うが――!?ホラーの女王・犬木加奈子が、ビクトル・ユゴーに挑むグランドロマン!!「アロエッテの歌」以下「第1章 やむを得ず戦士は言いぬ」「第2章 ひばりと呼ばれた子」を収録。
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私は涙が止まらない…この『アロエッテの歌』は、今はなき漫画雑誌『ホラーM』のかつての連載作品だ。『ホラーM』といえば『ゾンビ屋れい子』『ミスミソウ』をはじめ、エロとグロとホラーとエンターテイメントが詰まった最恐にして最高の雑誌だった…懐かしい!
作者は『口裂け女伝説』や『不思議のたたりちゃん』など、超恐怖漫画を世に輩出した大作家、犬木加奈子。しかし本作は「ああ、無情」を原作とした非ホラー漫画である。
登場人物の飛び出た目玉やカケアミだらけの暗い背景はまさにホラーの絵柄だが、読み進めるうちに「ああ、無情」の世界観とその独特の歪んだ絵柄が不思議な調和を生んでいることに気付く。目玉の飛び出たコゼートもかわいく見える。不思議。
そもそも『アロエッテの歌』は紙で絶版の本である。まず電子で読める感動に一度泣き、読めば中身の感動で二度泣けるというおトクさも魅力。