麻雀放浪記 凌ぎの哲 (1)
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敗戦の傷跡がいまだ癒えぬ東京。そこにはイカサマ博打で金を巻き上げ、ハイエナのように生きるバイニンと呼ばれる男たちがいた! 哲はドサ健と知り合ったことをきっかけに博打の世界に足を踏み入れ、数々の技を合わせ持つ一人前のバイニンに育っていった。やがて戦後の混乱期が過ぎ、社会は法と秩序を取り戻しつつあったが、バイニンたちは依然として餌場を求め路地裏を徘徊していた――。 -
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時代は変わりつつあり、麻雀はもはや一般化されたかたぎのゲームになっていた。哲は勤め人となり、ある日九州へ出張する。そこでふらりと入った雀荘で異常なほど勝負にこだわるバイニン李億春と出会う。李は哲の本格的なバイニンとしての技術を目の当たりにし、どうしても哲と打ちたがる。適当にあしらった哲だったが、どこまでも付いて来る李に辟易し、とどめを差すつもりで最後の対局に挑む! -
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哲は上司や同僚をかもにしていたツケが回って、「銀座の番長」の異名をとるクラブのマネージャー鎌田と対局させられた。一方、変わりゆく時代に乗り遅れまいとバイニン同士で集まった「稲荷町グループ」は徒党を組み、一匹狼のドサ健を潰そうとする。リーダーの花沢と流れ者の雇われ人ジンを相手に卓上で決着をつけようとするドサ健。そこに哲も加勢し、玄人同士の戦いは熾烈を極める!! -
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月給取りは性に合わないと、麻雀打ちの世界に戻ることを決意した哲。ヒロポン中毒の身に落ち、ヤクザの代打ちもどきのことをするが、どうしようもなく嫌気がさす。心機一転「健全な」バイニンに戻り、哲は大阪に向かった。早速、悪名高い雀荘へと出向く。そこで哲は達磨と呼ばれる凄腕の打ち手と対局し、辛くも 勝ちきる。「権々会で再度戦おう」と捨て台詞をはき、立ち去る達磨。はたして権々会とは…? -
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「権々会」――それは年に一度、夏の終わりに大恩寺で開帳される麻雀の賭場。全国から金持ちが集まり、それにバイニンたちが群がる、麻雀打ちにとっての一大イベントだった。バイニンは金を持っていなくても参加ができたが、負ければその代償に体の一部を潰されるという残虐なルール。哲も勇躍、卓に着く。しかし、初戦からバイニン同士がぶつかるきつい卓だった! この勝負、哲はどうきりぬける!? -
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権々会第一夜。気狂い和尚のもとでバイニンたちの生き血を啜る戦いが幕を開けた! 哲は初戦から達磨、西村、飛び甚と名うてのバイニン同士がぶつかるきつい卓に。哲は達磨とコンビを組む西村に裏切りをそそのかし、まんまと罠にひっかけ、危ういところで凌ぎきる。第二夜は、哲を大阪まで出向かせた男タンクロウとの勝負になった。その芸術的なスリカエ技の前ではさすがの哲もなす術がない…!? -
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一見、金持ちとバイニンを集めた麻雀大会にみえた権々会も、その本質は寺の金集めだった。バイニンたちに勝てるだけ勝たせておいて、最後に寺側が一気に回収するというたくらみ。いったい誰と誰がグルになっているのか、雲を掴むような戦いでバイニンたちの猜疑と不信はとどまることなく高まっていく。達磨、飛び甚、その息子ゲンと卓に着いた哲。そこで無敵と思われたある男の化けの皮が剥がれて…!?
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