少しずつ癒えていくアラサーヒーリングラブ
逃げ込んだ先が大切な居場所となり、愛しい存在ができた――
元彼・土屋との同棲を解消し、幼馴染みの画家・比呂が暮らす一軒家で同居生活を始めた七海。
ある日、制作に没頭し倒れた比呂を介抱中、「ゆき」と間違われキスをされる。
キスに慣れている様子の比呂、そして「ゆき」とは誰か…?
七海は、幼馴染みだけど比呂について知らないことに寂しさを感じて…?
傷ついた者同士の癒やしの同居物語、第2巻!!
逃げ込んだ先が大切な居場所となり、愛しい存在ができた――
元彼・土屋との同棲を解消し、幼馴染みの画家・比呂が暮らす一軒家で同居生活を始めた七海。
ある日、制作に没頭し倒れた比呂を介抱中、「ゆき」と間違われキスをされる。
キスに慣れている様子の比呂、そして「ゆき」とは誰か…?
七海は、幼馴染みだけど比呂について知らないことに寂しさを感じて…?
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※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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nest
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一井かずみ
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直属の上司であり同棲している彼氏・土屋からプロポーズをされた本郷 七海(ほんごう ななみ)27歳。
ふたりの関係に行き詰まりを感じていたため、どうしても頷くことができずに家から飛び出してしまいます。
行く当てがなく困っていたところ、偶然再開した幼なじみの中村 比呂(なかむら ひろ)から「今住んでいる一軒家の部屋が余っているからおいで」と誘われ、転がり込むことに…!!
傷ついた者同士がゆっくりと傷を癒しながら前へと進む同居物語!!
七海の彼氏である土屋を腹立たしく思わずにはいられません。
一井先生作品の中でこんなにイラっとしたキャラクターは過去イチかもしれません…。
土屋からのプロポーズの言葉が
「俺のほうが給料高いし 楽させてやるから俺のサポートと家事よろしく!!」
という…。
何様か!?と。その言葉で誰が結婚しようと思えるのか!?と。
こんなことを言われた日には、ちょっとそこに正座しなさいと1時間はお説教をした上でお別れですよね。
優しい七海はそんなことはせず、プロポーズが嬉しくなかったことをこんなになるまで気づけずごめんと謝るのです。
七海、 いい子すぎる!!
プライベートでも彼女に頼りきり、仕事でもミスの多さが指摘されてしまい無責任な面がある土屋。
次第に評判を落としていく様に、思わずざまぁ!と思ってしまった方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんなざまぁ展開を嬉々と描く一井先生ではありません。
七海は彼の転落に心を痛め、更に彼のミスの多さは自分への嫌がらせ!?と疑ってしまった自分を責めるのです。
どれだけいい子なの、七海…!!!
一方、幼なじみの比呂の優しいこと…!!
傷ついた七海の逃げる先となる彼は正に理想的な王子様ポジションのキャラクターです。
優しさを押し付けるのではなく、適度な距離感を持ちつつも七海の言葉に出せない思いを察知してくれるところが素晴らしいです。
ゆるふわで癒し系な彼ですが、その言葉は読む人の心をぐっと掴みます。
彼のセリフで
「辛さって どうしたって自分だけのものだと思う」
というものがあります。
「別れる」とはどういうことかを実感し、土屋の言葉に傷つき、何が辛いのかすらわからなくなり倒れてしまった七海に対して言ったセリフです。
このセリフに心を鷲づかみにされました。
「辛いよね、大丈夫だよ」と慰めるのは簡単ですがそうはせず、人はその辛さすら自分の糧にできる強さを持っている、と比呂は信じているのです。
このセリフを言えるまでにどれだけ傷ついてきたのか…!!
恐らく彼自身が今までたくさん辛い思いをしてきたからこそ、七海の辛さがわかるのでしょう。
今がとても辛いのなら一度そこから全力で逃げてみよう。
そして息継ぎをしてから、再び前に歩き出そう。
そう教えてくれる、頑張りすぎてバランスを崩した者たちが逃げ込んだモラトリアムの物語。
日常の中で起きる人との些細な摩擦に傷つきながらも前に進む物語は、一井先生の真骨頂。
七海と比呂が救われますように…。
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